 |
GREATになれないGOODな人たちへの人生指南としてもお奨め |
「またビジネス書か。もうビジネス書はたくさんだ」と思う人も多いことだろう(ぼくがそうだ)が、この本は違う。著者はGREATを「株式運用成績が15年にわたって市場並み以下の状態が続き、"転換点"の後は一変して15年にわたって市場平均の三倍以上になった企業」として定義し、この基準をもとに1965-1995の30年間にフォーチュン誌のアメリカ大企業500社のリストに登場した企業を対象として組織的な調査と選別を行って残った11社を、対照的にGOODのままGREATになれなかった企業11社、いったんGREATになったがそれを15年持続できなかった企業6社と比較して分析している。 厳密なふるいをかけて残った11社のGREATな企業は、著者のコリンズと調査チームが驚いたほど「地味で野暮ったい」企業の一覧となった。だが、それらの企業を調査して導かれた結論は、示唆に富む内容でありながらシンプルで分かりやすい。何より興味深いのは「GOODからいかにしてGREATに脱皮するか」という考察が、企業だけでなく個人の人生にもみごとに適用されそうな点である(このため訳書のタイトルには不満が残る。原題は"GOOD TO GREAT")。 「GOODはGREATの敵である」と喝破する著者、ジム・コリンズは「一億ドルもらってもこの本の出版を差し止める気にはならない」と断言するほどの自信をもってこの論考を世に問うている。ビジネス書としてだけでなく、「学生の頃は優秀でいろいろ夢や野心があったのに社会に出ると月並みな成果しかだせなくなってしまった」ことに悩んでいる、GREATになりたいGOODな人たちに人生指南書としてお奨めしたい一冊だと思う。 |
 |