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私はヒトラーの秘書だった

私はヒトラーの秘書だった

良い / 口コミ件数 : 7


価格 : 2,100 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:7 1 2 次ページ
1.  とても良い 一徹さん 書き込み日: 2005年10月27日

読んでいて怖くなりました

残忍で冷酷な独裁者ヒトラーのなかに、これほど紳士的で寛大で親切な側面があり、ユーモアのセンスさえあったというのは正直言って驚きである。

今日、我々がナチスの愚行を批判することはたやすいが、私自身が当時のドイツに産まれていたらどうだっただろう。もしかしたら独裁者ヒトラーの魅力に屈していたかもしれない。
著者のトラウデル・ユンゲが戦時中、たいした自覚も政治的意図もなくナチスの中枢で働き、結果として少なからずユダヤ人の大量虐殺に関与していたことへの苦悩は重かったことだろう。

私は彼女と同じ過ちをどこかでしていないだろうか。考えたら怖くなった。

彼女や、収容所で命を落としていったユダヤ人達にたいして哀れみを感じるだけでなく、あろうことかヒトラーにたいしても哀れみを感じてしまった。

いろいろなことを考えさせられる名著だと思う。



2.  良い 愛国者さん 書き込み日: 2005年12月22日

読み応えある内容

二十世紀を変えてしまった一人の男。その最晩年を間近でつぶさに見ていた著者が、悪夢から目覚めたのちに描いた「第三帝国」末期の肖像である。巨大な歴史の渦中にあった個人の視点だけに限界はあるが、ヒトラーという男にずっと付いていた人間にしか語れないものを書き残してくれているという点で、非常に興味い内容になっている。回想録としては、後知恵による善悪判断や自己弁護を極力排そうと努力した跡のある文章にも好感が持てる。ナチス時代の知識が多少ないとわかりづらい点もあるが、あの時代を生きた一人のドイツ人の記録としてずっしりとした読み応えのある本だった。
ただし、出版協力者の解説で、ユンゲ氏が五十年沈黙を守った、というのは誤り。複数のドキュメンタリー番組で証言しているのを見たことがあり、評者もかなり前から著者のことは知っていた。これも本を売るための戦略なのだろうか? 訳注に関しても、かなりの字数を費やしているにもかかわらず学者の意見すら分かれている点で断定的な解説をしている、など疑問に感じられる点が目についた。



3.  良い さん 書き込み日: 2004年02月06日

書評

ヒトラーの本については、現在まで多数出版されているがその多くは彼個人の生涯または政治家、軍事的面に重点が置かれて書かれている。しかし、この本はヒトラーの側近者として最後の証人として書かれている点において貴重な資料ともいえるものである。彼女の生い立ちから少女時代に1市民としてナチスをどの様に見ていたかまたヒトラーの秘書になり執務室での1人でいるときのヒットラーの姿又オーバーザルツブルグ内の詳しい様子など他の本ではあまり語られていない詳しい記述が見られる。ただヒトラーの秘書であるがために戦況の状況等に多少の記憶の食い違いがある点やベルリン包囲下からヒトラーの自殺までは戦後生存した他の側近者の証言などで特に新事実の記載は見当たらないがヒトラー自殺後ソ連軍包囲下の脱出、終戦後の彼女の人生までは一気に読んでしまう。



4.  良い tp-yoshidaさん 書き込み日: 2004年05月05日

私たちは進歩できたのか

我々はヒトラーについて、書かれたものや、他人の主張によって知るしかない。
今そうした知識をすてて、この本だけを読んだとき、彼を残忍な悪魔と断罪することは、おそらく難しいであろう。
日本が先の大戦でやってきたことも含め、現在の、全くの非当事者としての立場から、一方的に過去を非難したり懺悔したりすることは易しい。

しかし、この本を読んで判るように、独裁者の中にも礼儀正しく親切な人間が住んでいると同時に、善人の中にも独裁者が住んでいるのであろう。
それを前提として、どうやって平和を保ってゆくのか、昨今の世界情勢も合わせ見たときに、ヒトラーの死から60年たとうとする今でも、我々はその答えを見いだせていないことに、今更ながら気づかされる本である。



5.  良い 滝本太郎さん 書き込み日: 2004年04月05日

必読だと思う。

 うーん、ヒトラーのこと、ワイマール憲法下、選挙で権力を握り、ファシズムを実施した主軸者。
 この近しくいた人の手記、ぜひ読んでおくべきものと思う。ヒトラーの日常の言葉を読むと、何とも言えん気になる。
 「30年たてばまた戦争ができる」とヒトラーは言ったとか、この段階でこのような本が更に出るのは大変な意義があるのだと思う。

1−「部分社会」を作ったうえでのファシズムという意味では、オウム真理教の「麻原彰晃」などと同じ。だが、はやり違ったのだなあ、ということ。したことは絶対服従であり、極悪非道の行為なのだが。

 その自己愛性?人格障害の度合い、異常性の度合いが、麻原よりは弱かったのだろうと。それから背景事情が異なったので、ナチスはあそこまで大きくなったのだろうと。
 逆に麻原よりももっと異様な場合には、まあ千乃正法や、数々ある「遺体カルト」(C−藤田庄市)「ハーレムカルト」のように、実質数十人レベルではじけてしまう。

2−80歳を過ぎての書籍、なんと。自分で清算していくまでにここまでり時間がかかった。
 戦後のドイツがおかれた立場と、本人が記憶を正面から見たくなかったこと、その他からか、これだけ時間がかかったのだろうと。
 一気に読ませます。

 著者はもう亡くなっている。もう十分清算してますよ、もうどんな意味でも罪はないですよ、と言いたい気持ちとなります。
 
 破壊的カルトの中枢部にいて脱会した人にも、是非、是非、読んで欲しい本です。



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