 |
2005年9月の選挙戦の新機軸:「広報戦略」が導入され、実行された。 |
2005年9月11日の総選挙は画期的であった。漠然と「画期的だ、でも、何だったのだろう」と物思いに耽っていた今日この頃であったが。この一冊を読んで、わかった。
日本の政治の在り方が、「広報戦略」の導入と展開によって大きく変化した。選挙が、そして、政治が、「広報戦略」に基づく、広報戦となった。それが本質的な変化なのだ。
政治における選択肢がどのように訴求されるのか、「広報戦略」をもとにどのように、仕掛けられ、繰り広げられるのか、その舞台裏、プロセス、狙いが開示されている。
「わかりやすさ」に絞り込んで、争点をぶらさず、伝える。その、プロセスとシステムを体系的に整備し、実装し、短期決戦が闘われた。実質的に、対抗党派は、「広報戦略」不在であったことが想像され、この広報戦においては徒手空拳に近いものがあったのかもしれない。
で、本書の著者の姿勢はフェアだ。マスメディアはこのように働きかけられている。それが開示されている。そのような理解をもって、日々の報道に接するのと、そうでないのとは大きな違いだ。
このような形で、当事者である著者が広報戦略のケースのような形で、あの時何かをやったかを開陳されたのだ。他党派もその気になればこのケースから学び、そのやり方を戦略・戦術ともに刷新することもできるのだろう。その意味でもフェアだと思う。
今後、選挙は、そして政治は、このような「広報戦略」に基づく、広報の仕掛けあいとなっていく。本書において、そのように宣言されたとも言える。
そうした仕掛けられた政治課題、優先順位、争点、論点が主力メディアで繰り広げられる中で、有権者一人一人が政治的な選択をすることになる。選挙をはじめとする政治はそういうものなのだということを改めて認識させられる。
|
 |