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ISO13407が一つのトリガーとなって、製造業各社では(温度差はまだかなり大きいが)ユーザビリティに対する意識が向上し、活動が活性化してきた。本書はそうした流れのなかで、三菱電機殿における関係者の皆さんの努力の成果をまとめられたものである。
企業の方が執筆すると、社内での販売を主目的にすることもあるが、本書は一般の書籍として十分に通用する内容になっている。ユーザビリティについての概論からはじまり、開発プロセスの説明、ユーザビリティと関係して語られることの多くなったユニバーサルデザインについての説明、チェックリスト、事例、そしてISO13407についての解説、といった内容から構成されている。
開発プロセスの説明で利用状況の部分についての記述が少ないのがちょっと残念ではある
製品の開発においてそのデザインとユーザビリティ評価がいかに重要か、どのように開発を行うかを実際の家電や案内装置、携帯情報端末の製品開発事例を通して述べている。人が使う製品を提供する上で人が使いやすく、また使いたいと思うデザインを持たせることは非常に重要なことである。今後、実際に製品の開発に携わる私にとってこのような事例を知ることができてとてもためになった。
この本は、三菱電機(株)の取り組み事例の概要である。家電製品のユーザビリティーチェック、会社の公式サイト構築の際のユーザビリティー向上のための取り組みなどが、概要ながら複数盛り込まれている。
理論的な本ばかりでなく、実際の企業の取り組み方や取り組みに際しての考え方・体制・手法などより実践的な情報を得たい方には、「あくまで概要である」という認識のもとにお勧めする。概念の理論的な説明や、俯瞰的に手法を一覧したい方は、別の本を購入した方が良い。