良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 3,360 円
環境変化や戦略と整合的に組織をデザインせよというこの本のメッセージは、あらためて参考になった。IT投資やJIT方式の採用を個別に行っただけでは、企業の業績を高めることはできない。要は、組織を全体的に、しかもコヒーレントに変えなくてはならないのである。この本では、ケースが豊富に利用されている。しかし、新しい経済学を応用しているので、われわれのようなビジネスマン向けにもっと親切な説明がほしい。経営のエッセンスを知るうえでためになり、読みごたえもある。正直言えば、この本の内容をもっとやさしく解説した本が、あるとうれしい。
『組織の経済学』の著者の1人の作品です。 内容は戦略と組織の適合(本書ではコヒーレント―首尾一貫した等の意味)について組織経済学の目線から書かれたものです。 なので契約やインセンティブ、コーディネーション等の用語が多く出てきます。 経済学の専門書と言うこともあり、読むのは大変です。 一応実務家向けでもあるようですが、正直仕事の傍らこの本を読むのは厳しいと思います。 見方が異なるので、一概には言えませんが、総括すると、最終的に経営組織論でいう状況適合理論に似通ってきます。なので実務家の方などは、ガルブレイス著『組織設計のマネジメント―競争優位の組織づくり』が実務家向けに書かれていますし、同じくガルブレイス著『経営戦略と組織デザイン』も割合量も少なめですので、忙しい方はこれらをどうぞ。 とは言っても本書は事例を多く含んでいますし、組織経済学の中心的概念の説明も含んでいるため、組織についての研究で注目を集めている組織経済学を学ぶためには実務家の方でも十分オススメできるものであるといえます。 また、学生の方は、この本から、組織経済学がどのようなものかを知ることができますし、状況適合理論という組織論の一端を見ることができます。 ただ2点ほど不満があります。 1 経営組織論での状況適合理論への批判について触れられていない。 これはあくまで経済学だから仕方が無いのかもしれませんが、組織経済学といっても経営組織論から学ぶことは多いはずですし、それらに全く触れないのはどうかと。 2 これはあくまで個人的に苦労しただけの点なのですが、翻訳が少しいびつ。 おそらくテストなら問題ない翻訳なのですが…特に最初の方ですね。やたらに句点を打つ、言葉が固い等により読むのを困難にしている感があります。 内容には支障がないレベルですが、慣れるまで苦労しました。 以上批判については大分個人的な見解が入っていますが、大体の内容はこのような感じです。 難易度は高めですが、組織経済学に興味をもたれた方にはオススメです。
この本は洋書原本を読んでも、そもそも理論書なのか、実務家向けの一般書に毛が生えた本なのか、表現が難解な部分があり理解しづらい。訳者も苦労したのであろう、訳書についても何度読んでも理解しにくい箇所が散見される。一般のビジネスマンが実務書と勘違いしてこの本を買って読んでも無駄な気がする。もう一度著者とミルグロムの共著『組織の経済学』(訳がよい)を読んだ上で、暇がある人がじっくりこの本を読むと、著者が何を言いたかったのかがよく分かる。スタンフォードの制度経済学者が考えることはじっくり読まないと理解しづらいのである。
タイトルにある組織デザインに関する考え方を参照しようとして本書を手にした。感想としては下記3点。 ・観察的記述が多くメッセージがわかりにくい ・事例とコンセプトが混在しており、どちらの話をしているか混乱しやすい ・コンセプトが抽象的すぎ納得感が得られにくい まず観察的記述についてだが、一例としては、組織の分類法の一つとしてPARC(P: People, A: Architecture, R: Routine, C: Culture)という言葉を挙げているのだが、そこから話が深くならない。あくまで、「そういう分類がある」というにとどまる。 事例とコンセプトの混在については、読めば読むほど混乱に陥りやすい。もう少し明確な区分があった方が読者としては助かる。 コンセプトについては、「コヒーレント」「非凹型」「非凸型」など組織の記述としては新奇な言葉使いが多く理解することが難しいという印象を受けた。 全体として、組織に関する高度な論文のような構成になっており、組織学を専門にしている方には充実した内容になっていると思われるが、実務レベルでは活用は難しいと感じた。