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大黒天といえば、七福神のメンバーの一人で、ベレー帽のような大黒帽子をかぶり、大きな袋と打ち出の小槌を持ち、ニコニコしている福の神様とばかり思っていたが、この本によれば、大黒天のルーツはインドにさかのぼり、ヒンズー教で最も信仰されているシヴァ神の化身という。シヴァ神の夜の姿が、マハーカーラでこのマハーカーラこそ三面大黒天ということらしい。マハーカーラは多くの眷属・鬼神を引き連れて、墓場で遊び歩くとも。人間の血液や生肉と引き換えに、珍しい宝物や姿を隠すことができる薬を与えてくれるとか。これではまるで、魔王ともいうべきで、現代私たちが、親しく接している大黒天の姿とはかけ離れている。それが、最澄によって、日本に伝えられると、福の神としての性格が濃厚になるのがおもしろい。神仏とは人間の祈りや願いに応じて、いとも簡単に、姿を変えてしまう存在なのだろうか。この本は、神仏の性格を考えるうえで、ヒントになる。