とても良い / 口コミ件数 : 50件
価格 : 720 円
文字を読むことに苦痛を感じ、ページをめくるが怖くて仕方がない。本を読んだあとも暗い感情が胸を渦巻き、この話について考えるのも辛い。友達に勧めようという気分にもならない。 そういった面で、本書は読書のレベルを超越している作品だ。一部の要素がそうであるにしても、こんな本には二度と出会えないだろう。
アメリカの郊外、閉鎖された小コミュニティの中で起こる残酷な物語。新しく引っ越してきた少女に対する卑劣な暴力。日常が非日常に代わる様を、その事件に参加しながら、語り手である私は克明に記録する。日に日にエスカレートしていくその「遊び」は史上最低の結末を持って幕を閉じる。キングも絶賛する巷で噂の作家による傑作。一人ぼっちの部屋で読む事はお勧めできない。
どうしようもなく不快で、たまらなく陰惨で、めまいがするくらい救いがない。なのに止められない。止められないばかりか一度でもそれを味わうと、中毒患者のように彼の著作を求めずにはいられなくなる。ジャック・ケッチャムはそういう作家である。『隣の女の子』という題名から想像されるのは、思春期の男の子たちの偶像のような少女と、まだ幼さを残した少年との拙い、でもいつまでも輝きを失わない、懐かしいようなもどかしいような恋の話しだろう。だが、そうではない。『隣の家の少女』は、可愛らしいそのタイトル自体に悪意がこもっているかのような、惨たらしく、底冷えのする恐怖に満ちた小説だ。この本を手にしたわたしたちは主人公の少年とともに、その陰惨な世界に引き摺り込まれていき、そしてページをめくったら最後そこから逃れられなくなる。むごたらしくも魅惑的な世界。その世界では少年もわたしたちも皆、共犯者である。
10代前半という微妙にいろんなものが芽生え、 成熟にはまだ至れない年頃の心理に重ねて紛れて、 この物語は自然に日常から狂気までがなだらかに続いているのだと思う。 気がつけば狂気のなかにおり。 「僕」が気づくのは遅すぎた。 気づくことは彼の精神が成長することでもあるのだが きっかけがあまりにも残酷すぎた。 彼女が自壊をはじめるころには絶望的になった。 救いようのない話が好きな方に。
厳しい少女監禁物だと評判なので、覚悟して読んだのだが予想を遙かに越える悲惨な世界に、何度も途中で読むのを止めようかと思った。
だけど途中で投げ出すと、少女は傷だらけのまま僕の中で生き続ける。苦痛に顔を歪めながら読みつづけた。どんな形にしろ、終わりがあるというのは救いです。読み終えた僕は、安堵のため息をもらした。今までにない読後感だ。解放感。