とても良い / 口コミ件数 : 11件
価格 : 1,680 円
中学生の頃に国語の教科書に載っていた伊藤製氏の文章は、実に理知的で、賢すぎて何だか息苦しかった印象を抱いたものですが、本書の著者である息子の礼氏の文章は、実に肩の力が抜けており、思わずくくくっと笑ってしまいます。単に古希を迎えたという年齢によるだけのものではなく、礼氏の人柄が存分に読み取れるユーモアに満ちた文章は、読み進むほどに味わい深く面白く、一気に最後まで読み切ってしまいました。
「自転車で仲間とともに北海道ツーリング」と聞くと、屈強な大学生の夏休み体験記等を想像してしまう。 しかし、ここに集うのは古希の筆者(あとがきに“七十二翁”とある)と還暦を迎えたその友人達なのである!! 自転車の趣味やツーリングレポートを記した本は多いが、書かれた事実が面白いだけではなく、それを語る文体が本当に素晴らしいのだ。 まさに“滋味あふれる”文章という表現がぴったりとするだろう。 さすがは小説家伊藤整の息、と妙に納得したのであった。
まさに70の声を聞こうかという頃、著者の伊藤センセイ、何を思ったか、急に自転車に目覚めてしまいました。爾来、何台もの自転車を衝動買いした上、それらの愛車を駆って都内の川をいくつか下ってみたり、碓氷峠越えを目論んで挫折してみたり、挙句の果てには、同年代のジイサン4人で何と道東一周の大ツーリングを敢行したりしてしまいます。いやはや恐れ入りました。 本書では、そんな著者が、自転車のあれこれについておりふしに感じたことや、ツーリングの状況などを縦横無尽に語り尽くしています。その文章たるや軽妙にして洒脱、毒やブラックも程好く混ざり合い、実に味のある語り口で、あたかもドクトル・マンボウの自転車バージョンを髣髴させる趣と言えましょうか。 ところで、この本があまり面白いので、小生もついついスポーツ自転車を購入してしまいました。安くない買い物で、しかも実は2ヶ月ほど前に電動ママチャリを買ったばかり。家庭内でどれほどの物議を醸すことかと心配しましたが、妻にも本書を読ませておいたおかげか、それほどの波乱は生じませんでした。ありがたいことです。 いずれにせよ、古希を過ぎた大先輩たちがこうして元気にツーリングだのに興じておられるわけですから、小生の如き40男としても須く一念を発起しなければなりません。そんなササヤカな前向きの決意と、そしてたくさんの笑いを与えてくれた一冊です。自転車に興味がある方にはモチロン、そうでない方たちにも、是非おススメしたいと思います。
中年になって自転車に乗り始めた私にとっては、ものすごく共感できる内容です。 青年のように一日100キロも200キロも乗れない。体力もない。 でも、自転車に乗るのは楽しい。こんなふうに思ってる方はぜひ読むことをおすすめします。 ツーリングとサイクリングの違いとはなにか。いつかはツーリングしてみたい気持ちもありますが、無理だろうなあ。 名前からもしやと思ってましたが、さすがに文章が味わい深いです。自転車の分野がついに文学に到達したと思います。 それにしても、どうして男の人はいくつになってもメカ方面にいくんでしょうねえ。
うら若き古希の著者が、たとえば杉並の久我山の自宅から軽井沢まで、碓氷峠を越えて、自転車で行こうと計画し、さて出発。果たして無事行けるかどうか、はらはらしながら読んでいると、寄居で、脈拍が異常に早くなる自覚症状を覚え、ビジネスホテルで休みながら、計画を頓挫し、家に帰ろう、と決め、タクシーで帰宅するあたりなど、臨場感にあふれる文章で、無事帰り着いて、翌日は脈拍も、嘘のように正常に戻っているというあたりで、読んでいて、心からほっとしたりする、お会いしたことも、もちろんないのに、親しみを覚える、感じのいい本