良い / 口コミ件数 : 42件
価格 : 1,155 円
レビューではずいぶん叩かれているが、読んでみると、そんなに悪い本という気はしなかった。 確かに「ザ・プロフェッショナル 仕事の流儀」ネタも多いことがお手軽に作られた本というイメージを助長しているのかもしれない。 興味深い点は数多くあるので挙げてみたい。 ・わかっているのにうまくいかないのはなぜか(善し悪しを判断できるのに、自分で実行をしようとするとうまくいかない) 「感覚系」と「運動系」が脳で切れていて、「運動系」は日々繰り返し行いシナプスが強化されることでしか鍛えられない。 このため推奨されるのは、「アイデアや考えを言葉にしてみる」、「入力と同じ分だけ出力する」、「実際に企画書を書き、プレゼンテーションをする」ことである。 スティーブ・ジョブス氏はこの点について、Real artists ship(本当の芸術家は出荷するのだ)と言っているとか。 ・イギリスの学者(ホラル・バーロー)は、郵便物を一瞥すると捨ててしまう。 これは、脳の潜在力をフルに発揮させるためには、「情報の整理や暗記に頭を使わないこと」を重視しているからである。 この背景には、情報が容易に即時に入手できるため、「暗記」の価値が大きく下落したことにある。 推奨されているのは、ネットやパソコン(スケジューラーとか)を使って、「脳の記憶回路の負担を減らすこと」である。 ・人間には、幾つかの「モード」が予め用意されているというのもおもしろい。 確かに、仕事の時、飲み会の時、家庭にいる時に、それぞれ自然に自分の違う側面が表れるのが不思議であったが、環境に適応するため、進化上必要なものとして予め備わっているという考え方は理解できる。 ストレスに弱い人は、モードの切り替えがうまくできていないという指摘もよく分かる。 なお、解決は「無意識は頭で考えてもどうしようもない。実際に体を動かすことでコントロールする(脳に信号を送ってやる)」しかないとのことである。 ・得意分野を「ホーム」、苦手分野を「アウェー」とすると、脳はアウェー戦を乗り越えたときに喜びを感じる。 アウェー戦を繰り返しているうちに、そこがホームに変わってくるというのは示唆的(アウェーを逃げるなということか?)。
この本で書かれていることは一言で言うと、「はじめに」にあるように「喜びの中で「脳の出力と入力のサイクルを回す」こと」である。 具体的な方法が全8章のなかで合計58の標語に凝縮されている。さらに本文中の要所が太字で強調されており、一通り読んだあと、読み返して著者の教えを復習しやすい構成である。 あとは実践あるのみである。読後、少なくとも実践しようという気持ちにはなれることは確かだと思う。
「脳を生かす勉強法」より面白かったです。 学術論文ではないので、科学的な立場からの実証はされていないものの、 なるほどそうだろうな、と、納得できる部分が多いような気がします。 特に有害になりそうな事は書いていませんし、この方針で何人かの能力がアップすれば それだけでこの本の存在は十分価値があったのではないでしょうか。 私はいろいろと生活や仕事の能力開発のヒントをもらえた気がします。 ちなみに、氏の講演に行きましたが、内容はこの本と同じで、この本のほうがよく理解できました(^ ^;)
本書では、「わかる」を「できる」に変えるにも、「わかっちゃ いるけど、できない」時にも、手をつけてみることが大切と解説 しています。 脳の構造として、感覚系学習の回路(「わかる」、入力)と運動 系学習の回路(「できる」、出力)とは脳内では連絡を取れない ようです。このため、手をつけてみたりやってみたりすることで、 脳の外で連絡を取ろう、とのこと。 ま、堂々巡りになるまで悩んだり考え込んだりせず、考えたら、 試しにやってみよう、と。試しにやってみることで鍛えられます。 なお、感覚系学習の回路(「わかる」、入力)は、このフィード バックの他にも、一流に触れたり、「偶然の幸運」(ノイズ)が あったりしても鍛えられます。 そのほか、余裕を持ち、さらに物事を客観的に見る「メタ認知」の 視点をもつために笑って仕事をすることなどが紹介されています。
脳科学者が書いた仕事術の本ということで啓発書とは異なった楽しみがあります。 感覚系と運動系、ミラーニューロンの話やセレンディピティなど著者ならではの話題の運び方なので大変面白く読めました。仕事術という観点からは容易なノウハウ集という本ではないため物足りなさは感じるのが正直なところですがやはり「脳科学的」観点からの本ということで読み進めると価値を感じます。 著者は勉強法など、脳科学を起点としてさまざまな方面に関して本を書いていますがそれ自体が面白い試みであると感じています。たとえば物理学者や心理学者、霊能者などがそれぞれ同様に多方面での本を書くと面白いと思うのですがその先駆けとして著者の活動を支持したいと思います。今後に期待!