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価格 : 714 円
日本人には独創性がないと言われてきた。しかし本書では、この問題について、「トヨタ」と「ノーベル賞」とを比較することで、読者に新しい着眼点を持たせる。 一個人が大発明をするわけではないが、トヨタの「改善」を例にあげ、日本では個々人のひらめきが導火線になり大きな発明につながっているという。 また、「ひらめき」をテーマにした章は興味深く、どのような条件下で「ひらめき」が生まれるのか参考になるお話しが豊富にある。
百人の一歩前進は品質上、極めて重要。ここには同意。トヨタ式を根づかせて、DNAとまで言わしめたのは、やはり大野式。 大野耐一翁ががんばらなければ、今のトヨタ式ほどには改善活動がシェイプアップされていないだろう。 ここに注目せずに論を進めているのは、何か意図があるのだろうか。 それもわかったうえで、ひらめきは万人のものであることには同意できる。 ひらめきを学術や産業の成果に結びつけられるかどうかは、極めて不確実。 それでも言えることは、みんながひらめきを大事にして、書き留めて、発表して活用しようとするムーブメントが盛んになれば、世界はいっそう知識化がすすんで、カイゼンの機会と成果を得られるようになるのではないか、ということでしょうか。 いろいろと考えさせてくれる、よみやすい本です。
脳は一つの天才細胞に率いられることはない。 社会も同様に一人の天才に率いられるのではなく、多くの人の一歩の力に支えられている。 その象徴として、全員参加のトヨタの改善運動を挙げ、一人の天才を讃えるノーベル賞と 比較することにより、日本的創造の意義を考える。 茂木健一郎氏らしい、大きな発想の飛躍が楽しめる好著。 なお、ひらめきの導火線とは、脳におけるニューロン発火を意味しているように思う。
日本人の弱点として創造力がない。オリジナルティをもっていないなどと揶揄されることが多い。 それは本当にそうなのか。その出発点にまずは疑問を本書では投げかける。 世界的企業であるトヨタを例に、日々生まれる改善というひらめき。 それらを生かすための仕組み。 本当に日本の強み・弱みとは何なのか。ふっと思いよぎる瞬間だ。 また本書ではひらめきという能力は万人に与えられた才能だとも説く。 一人の人の天才的な発想による変化も、その実は様々な影響が与えられた結果である。 日々、少しでもいいからひらめき、それを蓄積すること。 それが大きな結果に繋がる。 本書はヘタな能力開発本よりもとても刺激的で、 気づかされることがとても多い。
副題がトヨタとノーベル賞となっています。日本人は創造力が無い、と良く言われることですが、そうではなくて、トヨタのカイゼンにみられるように日本の創造スキームというのは誰もが行い特定の人物名の残らない民主的な方法で行われている、それに比べて一人の天才の発見や発明の象徴であるノーベル賞はまさに西洋的創造スキームの形である。日本は西洋とは違った創造の手法をもった独創性に富む民族であることを自覚しよう、といった趣旨と思いました。トヨタ自動車の工場を見学した筆者が、その運営に刺激されてできあがった本のようです。日本人には、どうしても西洋文明に対する劣等感のようなものが内在していて、日本的な手法を自信を持って主張できない面、気付いていない面があると思います。過去のキャッチアップ型の経済政策一辺倒で見失ってしまった日本的なものの価値を発見することの大切さを感じました。