とても良い / 口コミ件数 : 32件
価格 : 1,365 円
この本は、まず階層社会化と年金・社会保険制度の縮小が予想される中、老後資金を確保するために投資を行う必要があるといったことを説明した後、現状の日本における投資手法の方向が短期(日計り取引―デイ・トレードから1〜2ヶ月程度の利ざや取りまで)に偏っていて不合理であることを指摘、そして年金基金を例に一貫した投資方針を貫くことや、時間や投資対象の分散を図ることがいかに有効であるかということを、順々に分かりやすく説明してありました。読むことで、ファイナンス理論で示される「国際分散投資」がいかに合理的なものかということが、良く理解できると思います。 個人的に、資産形成の手法として短期売買は不適であるという意見には、強く共感しました。株式・外貨投資に関する書籍も、昨今になればなるほど短い期間での取引を前提にしたものが増えていますが、私はそれにはまれば下手すると、財産・社会性いずれの面でも破滅を導いてしまうように感じています。 長期投資の手法は、アセットアロケーション(資産配分)を決定した上で、それを貫徹すること……正に単純かつ、労力を使わずにすみ、投資について考える時間を他の事に割り当てることができる、合理的なものといえます。 この本のように、数少ない分散投資の合理性を説いた本を読んで、真の資産形成を行っていくことが大事だということを、学んでほしいと思います。
最近、漠然と資産運用を考えないとなぁ、と思っていました。でも、株式投資は運用が大変そうだし、情報収集・分析なんてしている暇はない。じゃあ、その辺はプロに任せてしまえ、と投資信託に手を出し始めてみました。しかし、投資信託について情報を集めだしてみると、諸説があり何が妥当なのかが分からない。そんな時、この本のことを知り買ってみることにしました。 はじめに、いまなぜ投資を行わなければならないのかが日本における格差を引き合いに出して語られます。このままでは老後の資金が足りない!じゃあ、流行のデイトレードを薦めるのかな、と思えばそうではありません。巷間では数十億儲けられるなんて本があふれているけれど、ではなぜその著者が儲けを独り占めにしないのか、と切り捨てます。 そして、かなりの日本人が誤解したままであろう、国の年金運用の実態に話は移ります。かつて6兆円もの損失を出した年金運用は、ここ2年で11兆円もの利益を上げたいる、と。その秘密は資産の分散と定期的な投資、そして、それを維持し続けることだと。 投資にはどうしても華やかなイメージが付きまといます。地味にコツコツやるのが成功の元なんて思えません。でも、「どんなに儲けた人がいても同じく損をした人もいるのだから市場全体は平均的に動く」というような言葉にハッとさせられました。確かに。 素人目ながら、基本から分かりやすく、正直に説明してある本だと思います。投資のことはよくわからない、という方にはおすすめできます。でも、情報源にも分散は必要でしょうから、盲信もよくないとは思いますが。
本書では、主として公的年金に不安がある (とされる)現在20-30代の読者を対象に、 いま何故資産運用が必要か(しないと老後にどうなると予想されるか) 資産運用のための基本的知識(「資産配分」「リスク管理」の重要性) そのための具体的な方法論 について丁寧に説明している。我が国の年金運用基金の 方法論などを例示しつつ、個人投資家はこの部分を 真似ればよいと具体的にアドバイスしており好感が持てる。 また、老後資金のような長期間の資産運用を行う上で 最も大切なことは「勝つ」ことよりも「負けない」ことであり、 そのためのアイディアもいくつか提示されている。例えば 「個別銘柄への投機」ではなく「資産クラスへの投資」をする 持ち家にはプレミアムがついている(割高)ので住宅ローンは慎重に 資産のリバランスは年一回程度で十分 といったものである。どれも真っ当な考え方だと思う。 これから投資を始めてみたい、という方には、ぜひ 「株で@億円儲けた」「相場で勝つ!」「儲かる為替」 といったいい加減な本ではなく、本書のようなよい本を ひもといてほしいものである。 一方、気になった点を二つあげておく。 1)海外資産への投資を勧めているが、個人投資家が 割安、長期かつ安定的にアクセスできる金融商品は 現状ではほとんどない。何に投資すればいいのか? 2)ちょっとアオリ文句が多いかな? 冒頭の「格差社会」 論の部分など、専門家が見れば分析が足りないと言いそう。 他の本で資産運用の基本について勉強された方には本書は特に 目新しい内容ではないかもしれない。しかし全体として非常に充実した 真っ当な資産運用本なので、投資入門者には特にお勧めできる内容だ。
前作の『外資ファンド利回り20%超のからくり』が好評だった北村慶の最新作。 前回が利回り20%を叩き出す「投資ファンド」の秘密に迫る内容であったのに対し、今回は普通の人々のための投資入門書、という趣き。 分かりやすく、丁寧な語り口は相変わらず。 タイトルと装丁にやや驚かされるが、中身は安心して投資初心者にお薦めできる内容。 (自称も含め)セミプロの読者にも、やや耳が痛い部分も。 類書にはない内容のマジメさを買って、星5つとしておく。
投資の本だと思いましたが、どちらかというと将来設計についての王道を述べた本です。 現在の日本の危機的状況の中で、老後の生活資金をどのようにして作り出すかということにテーマをおいています。ですので投資の話だけではなく格差社会や年金の話、持ち家の話など日本で老後を迎えるまでに必要な知識について説得力ある多岐な内容となっています。 結論としては ・現在の日本社会を考えると投資は必須。 ・トレーディングより長期インベストメントが有効であり、 ・ポートフォリオなど運用ポリシーも大切である と説いています。 PHPらしい良書だと思いますので一読の価値はあると思います。 あ、ノーベル賞学者とスイス人富豪云々はあまり気にしないほうがよいと思います。全体内容からするとごく一部ですから。