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冷戦構造が崩壊して、アメリカが世界の警察〜唯一のスーパーパワーとして存在する状況も9.11以降、微妙に変化の兆しが見える。反米のイスラムが台頭する「文明の衝突」的な状況は必然なのか。 やはり世界はこれから多極化の方向へ向かうのであろう。折しも、北朝鮮はアメリカへのメッセージを込めてミサイルを発射した。そろそろ日本国民も気づきだす頃だ。アメリカは最終的には日本を守ってはくれないと。 アメリカは自国民の血を流すほど日本を大事には思っていない。 そうだとすれば、我々はどうすべきなのか?その疑問に答えてくれるのが本書だ。 著者の伊藤 貫氏は、ワシントン在住のエコノミスト・安全保障問題専門家で、非常に緻密な理論家。前半の国際政治理論の解説が白眉である。5年後、10年後の我が国の針路を考えるための必読の名著です。
この本はとても質が高い。たんなるジャーナリスティックな反中国の書物ではない。著者は本書で、欧米の著名な国際政治学者と軍事学者の学説をきちんと解説し、その上で日本政府の対中政策の欠陥を明晰に分析している。本書を、ビジネスマンだけでなく、外交政策や軍事政策に興味を持つ大学生にも勧めたい。真面目に外交政策を論じる、一級品の書物だ。
参考文献の多さに感動して購入。1章は外交理論の紹介で、中国のみならず世界のニュースを読む上で非常に役立つ、予期せぬ特典でした。しかし、著者自身も言うように、やや堅め。全体としては随所に米国著名人の生の声、本音、知って楽しくなるようなエピソードがふんだんに散りばめられて、興味深く読めました。5章はややおざなりな感じがしましたが、最後の宮沢とドゴールの対比は分かり易く、これが言いたかったのかと納得。漫画で学ぶ○○が幅を利かせる昨今、真面目に丁寧に分かり易く書かれた、文句なしの5つ星。幅広い分野と世代にお勧めします。l
著者は、アメリカの多くの役人・著名人らと日本の国防につて議論をしており、説得力があります。とくに我が国の核武装については、いかなる結論を支持するにせよ、真剣に議論しなければならないと感じました。「日本は平和なのにアメリカの基地があるから危険になるんだ」とか「憲法九条が戦後日本を守ってきた」といった子どもじみた議論をしている場合じゃありません。我が国の将来のため、いま国防をまじめに考えないと手遅れになります。この本のテーマは中国の脅威ですが、『中国は日本を併合する』と併せて読むとさらに理解が深まると思います。
日本を取り巻く政治=経済情勢を理解する上で、本書と『国富消尽』(吉川元忠・関岡英之著、PHP)の2冊は、日本人として是非読んでおくべき書物であろう。日本の国富を吸い取ろうとする米国と世界一の覇権国を目指す中国、いずれが「前門の虎」か「後門の狼」かは判らぬが、対米迎合派又は媚中派と称されるドメスティック・アライズ(国内同盟者)の声に眩惑されることなく、我が国も核兵器という「ポイズン・ピル(毒薬)」の保持について、真剣に議論すべき秋(とき)を迎えている(第3章第5節。なお、日本は世界で唯一の被爆国であり、国民の反核感情も強い。だからこそ、核兵器に関して慎重な開発・運用等がなされると思うし、逆説的な意味で東アジアの核軍縮も推進可能だ)。 さて、ワシントンに20年在住している著者の伊藤貫氏は、先ず、外交政策に係る理想主義的なウィルソニアン・パラダイムと現実主義的なリアリスト・パラダイムの解説を行い、次に、米国の学者や官僚、軍人等との意見交換を通じて得た「生の情報」に基づき、中国指導部=中国共産党(中共)の大国願望・覇権願望などを説述している。ここで是非触れておきたいのは、鉄の女、マーガレット・サッチャー女史の「核兵器有効論」である(PP.182〜183)。女史は外交政策のスピーチで、核兵器について、(1)非常に強い戦争抑止効果があること、(2)通常兵器と比べ予算面でも効率的であること、(3)国際社会の発言力を担保すること、以上の三点を自信をもって述べている。 米の「覇権主義」の方が中露のそれよりマシとはいえ(PP.93〜95)、2008年の大統領選挙では、自民党やMOFなどの共和党テコ入れにもかかわらず、中共に籠絡された民主党が政権を奪取するのは、恐らく間違いあるまい。当然、中共が鼻薬をきかせている「親中嫌日的バイアス」(P.192)をもった旧クリントン政権(1993〜2000)の亡霊ども(ウィリアム・ペリーやロバート・ルービン等)も息を吹き返し、ワシントンの表舞台に上がってくるだろう。そして、米中共同による対日封じ込め政策とジャパン・バッシングが一層激しく、かつ露骨に推し進められていくことは、火を見るよりも明らかだ。日本に残された自主的な核抑止力構築のための時間は、あまりにも少ない…。