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歴史学ってなんだ? (PHP新書)

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

良い / 口コミ件数 : 18


価格 : 714 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い kaseさん 書き込み日: 2004年03月03日

良くできた本

小田中氏の新著は、新書に要求される最短距離で伝えたいことを分かりやすく伝えるという要求を満たしつつ、氏自身の考えを過不足無く伝えた好著。内容はといえば、ヴィトゲンシュタイン、ポパー、クーンを下地にした「コミュニケーショナルな認識の正しさ」を担保することができるかどうかに「歴史学」の存立条件を据え、従軍慰安婦問題から、価値相対主義論争、「物語りとしての歴史」論争、などなどを整理し、配置して行くというもの。これだけのコンパクトな文章に、これだけの情報量を、平易に書ききることができる著者の論理的な思考に脱帽。



2.  とても良い 糸音さん 書き込み日: 2004年07月24日

意図通りの「適切な入門書」

歴史学に関わる人々には是非読んでいただきたい書である。
歴史に長く携わっている方々には「今更こんな本」と思われる向きもあると思うが、そのような人にこそ目を通していただきたい書である。

文章は非常にわかりやすい。歴史学は、特に理論分野になると時として難解になりがちであるが、本書では理解しやすい形にかみ砕かれている。そして現代歴史学の課題となる分野(「大きな物語」「物語と歴史」「歴史は事実を知ることが出来るか」「歴史の描くべき対象」「歴史と国民性・アイデンティティの関係」など)を広く網羅している。時として意外と攻撃的というか積極的に論難する箇所が見られるのがまた面白い。
今までの歴史の入門書と称する書物ではかならずと言っていいほど多くのページを割いた歴史学の歴史や資料分析・批判など専門家以外の人々にとって気力を萎えさせられる分野に力を注いでいないのがよい。
著者のテーマは「歴史は何の役に立つの?」である。

対象は大学生、入学直後の大学生か歴史を専門としない教養として歴史を学ぶ(単位のために学ばざるを得ないか?)学生を意図しているであろう。

また、あとがきにも記されているように「歴史に関わる優れた啓蒙書を紹介するブック・ガイド」も著者の意図するところである。

取り上げられた書には私も読んだことのあるものから名前も聞いたこともないものも様々である。
なかでは「砂糖の世界史」「人はなぜエセ科学に騙されるのか」「茶の世界史」「漢帝国と辺境社会」「グレートジンバブウェ」は知的好奇心を刺激された覚えがある。
そして著者一押しの「青きドナウの乱痴気」や「動物裁判」は是非一度目を通したいと思わされた。
このようなブックガイドこそがさらなる探求に資するために最も重要なものである。これがあってはじめて優秀な入門書といえるものである。



3.  とても良い 蛇骨婆さん 書き込み日: 2007年03月26日

勉強のナビとして最適。

 『使える新書』で教えてもらって読んだが、実にすっきりと歴史学についての見取り図を描いている。歴史好きな高校生がこの本を手引きにして、引用されている「おすすめ本」を読み込んでゆけば、それこそ「自覚的にものを考える」最良の教養が身につくだろう。人文系の大学生であれば、どの分野に進むにしても、知識を深め「センスオブワンダー」としての好奇心を培うのに、うってつけの本だ。塩野七生や司馬遼太郎の小説で歴史が判ったような気分にならない事(ノヴェルとして楽しむのはいっこうかまわないが)が教養がある、ということだ。
 フランスのアナール学派や網野史観、あるいはポストモダンなどに興味がある人、ぜひこの本を一読して関心の整理をされることをお奨めする。ここ十数年で一番読みやすく役に立った新書である。



4.  とても良い skywalker70さん 書き込み日: 2005年01月04日

素人にはもってこいの1冊

歴史学の専門家ではないが、歴史を見る視点、というのは社会科学を学ぶものの端くれとして身につけておきたかった。
素人である私は、「歴史は何の役に立つのか」という問いに明確な回答を出せずにいたが、この本はそうした問いを考え、回答の糸口を提供してくれる契機となった。
また当然のことながら、構造主義など社会科学での議論は歴史学にも大きく関わっていることを改めて認識した。やはり広くいろんな学問を学ぶ必要があるな。
筆者は「科学」としての歴史学の重要性にウエイトを置きながらも、歴史学をめぐる議論を客観的に鳥瞰できるよう心がけてくれている。素人に優しい入門書だ。



5.  とても良い SAHさん 書き込み日: 2007年05月28日

思考力を磨く

タイトル通りの内容が、平易な語り口で記述されており、
それぞれに具体例をそれなりに詳細に検討しているので、
興味深く最後まで読める文献である。
特に従軍慰安婦問題を取り上げており、
タイムリーと言えばタイムリーでありがたい。
世界史の第一回の授業で使いました。

そのほかの参考図書は

東京大学教養学部歴史学部会『史料学入門』岩波書店, 2006.
福井憲彦『歴史学入門』岩波書店, 2006.
吉見義明『従軍慰安婦』岩波新書, 1995.



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