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「法律」というものを広めの視点から眺めた入門的説明書 |
講演内容を書籍として起こしたものらしい.そのため,とっつきやすさはピカイチ.肩の力を抜いて視野を広げるためや考えるきっかけとしてはものすごくよい。同じ理由からだろうけど乱暴になっている部分もけっこうある.経済とからめないと説明できないはずの部分や公務員まわりは説明のための方便ぐらいのつもりで読んだ方がよい程度の内容だし,キリスト教が現在の社会に与えた影響の説明は教義の影響ばかり説明して戦争の影響をものすごく軽く扱っている.間違いではないけど話題が飛躍している部分もちらほら。
タイトルにもなっている法律まわりは法律関係者を始めとする他の人が書いたものと比べるとかなり広い視野から書かれている.イスラム教にしても日本国憲法にしても著者の説明の中ではあくまでも one of them 以上のものではない.法律や宗教における「ルール決定のメカニズム」や「正当性のよりどころ」の説明は「本当に一般向けの講演の内容か?」と思うほど力の入ったものになっていて、かなーり勉強になった.法律を信者から見た一神教のように扱う態度は微塵もみられないし,検察出身の郷原信郎氏の著作や橋下徹弁護士の発言と同様の問題提起も行なわれている.この問題提起部分とアメリカのロースクールの説明は,日本の法律関係者の一部にとっては我慢ならないものだろう.日本にみられる法治国家としての危うさを正面から指摘しているわけだし,「あんたらダメダメですねえ」と遠回しに書いているようにもとれるから. |
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