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北朝鮮に関するなぜ?に答えてくれる、説得力ある良書。 |
呉さんの本としてはこれが2冊目だが、いろんな発見があった。いわゆる北の瀬戸際外交はどこからくるのか。韓国の「太陽政策」の継続はなぜなのかなど、自分のなかにあったさまざまな疑問がかなり氷解した。主なものを列記すると、まず地勢条件により「朝鮮」(朝鮮という国号は明から与えられたもので、だから、韓国では朝鮮という呼称を使わない)は、歴史的に中国に対する朝貢国家であり、独立国家になりえなかった。14世紀に成立した500年以上続いた李朝は極端な東洋的専制国家であり、極端な中央集権主義であった。古来、現在に至るまで儒学、とりわけ朱子学にもとづく小中華思想をもち、それにもとづき日本に対する民族的優越意識をもっている。とくに、明が滅び、満州族の清朝以降は、朝貢はしながらも、自分の方がほんとうの優れた国家という意識をもちながら、一方で事大主義で対応する非常に屈折した国家になった。明治になってからの「征韓論」もここに起因する。現在の北朝鮮はこの李朝的な国家が社会主義という看板を掲げているに過ぎない。韓国が敵視政策をやめ、「太陽政策」という融和策をとるのは北朝鮮の軍事的脅威より、「崩壊」による混乱、経済的打撃、負担が怖いから。いずれもなるほどと思った。他にも金日成は実在の抗日パルチザンの英雄として実在したが、30年代に死んでおり、我々が知っている金日成は偽物。李朝時代には女系を排した父系血族主義の「宗族」があったが、酷い身分制がいまも残っている。故・司馬遼太郎氏が「儒教と賄賂は不可分」と言われたことを記憶しているが、読めば読むほど酷い国である。そして、民族的優越意識は韓国にも強く残っており、それが「反日」という形をとっている。北朝鮮に対する疑問の多くに答えてくれ、納得のいくものが多く、良書である。「拉致問題」以降、日本単独での「経済制裁」にも世論の過半が賛成する状態だが、相手が相手なので、「切り札」を持ちながらも、感情的なリアクションではなく、「国益」を考えた冷静な対処策を考えるうえでも、この本はとても参考になった。 |
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