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韓国人から見た北朝鮮―独裁国家のルーツ (PHP新書)

韓国人から見た北朝鮮―独裁国家のルーツ (PHP新書)

とても良い / 口コミ件数 : 6


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1.  とても良い 韓国の龍さん 書き込み日: 2005年04月28日

小中華と侮日観

第三章「小中華思想と日本を見下す侮日観」で目から鱗が落ちた。

曰く、現在の日本とのややこしい関係は李氏朝鮮時代の小中華思想に端を発する。つまり1)李氏朝鮮は中国に朝貢して属国として認めてもらった。2)中国に事大(小が大に仕えること)して中国に範をとって国家運営した李氏朝鮮はやがて中国との文化的同質性をもった小中華となる。3)しかし表向き中国に朝貢している李氏朝鮮だが、当の中国は女真族に明が滅ぼされ、清の支配下に落ちた、すなわち夷族に支配される国に成り下がった。→内心、(小)中華である我々がなぜ夷族に朝貢しなければならないのかと思うに至った。→中国が夷族に支配されている今、真性の中華(世界の中心)は自分ら=李氏朝鮮である。・・・面従腹背の矛盾を抱えるようになった。4)一方、日本は朝鮮よりもより中国から遠い分、もっと夷族である。彼らは、より高度な文化をもった我々=李氏朝鮮が教導すべきである。5)しかしその日本が日清戦争で中国を軍門にくだし、さらにはその夷族に植民地支配されるに至った=清の中国と同じていたらくになってしまった。6)本来、中華思想的には自分ら=李氏朝鮮は正統な長男であり、そのまた孫にあたるのが日本である。なのになぜ孫から親が支配されなければならないのだ、という葛藤がある。

この李氏朝鮮の思想心情をそのまま受け継いでいるのが北朝鮮であり、韓国である。従って日本を蔑む思想心情は日本による朝鮮の植民地支配に始まったものではなく、18世紀の朝鮮通信使の時代に既にあったのだ!

しかし一般的には日本による植民地支配が今日のややこしい韓日関係の発端だと思われている。

こんな世知辛い世の中、世界の中で「自国がNo.1」だなんて民族主義を振り回してどうなる?日本は既に民族主義や愛国心などとっくに捨てているのに韓国、北朝鮮は未だに自国No.1に拘る。そのことが韓国や北朝鮮のグローバル化を著しく阻害している・・・というのが呉先生のおっしゃりたいこと。

実にフェアな判断であり解説であると思う。



2.  とても良い ゲバジジさん 書き込み日: 2005年04月12日

北朝鮮に関するなぜ?に答えてくれる、説得力ある良書。

呉さんの本としてはこれが2冊目だが、いろんな発見があった。いわゆる北の瀬戸際外交はどこからくるのか。韓国の「太陽政策」の継続はなぜなのかなど、自分のなかにあったさまざまな疑問がかなり氷解した。主なものを列記すると、まず地勢条件により「朝鮮」(朝鮮という国号は明から与えられたもので、だから、韓国では朝鮮という呼称を使わない)は、歴史的に中国に対する朝貢国家であり、独立国家になりえなかった。14世紀に成立した500年以上続いた李朝は極端な東洋的専制国家であり、極端な中央集権主義であった。古来、現在に至るまで儒学、とりわけ朱子学にもとづく小中華思想をもち、それにもとづき日本に対する民族的優越意識をもっている。とくに、明が滅び、満州族の清朝以降は、朝貢はしながらも、自分の方がほんとうの優れた国家という意識をもちながら、一方で事大主義で対応する非常に屈折した国家になった。明治になってからの「征韓論」もここに起因する。現在の北朝鮮はこの李朝的な国家が社会主義という看板を掲げているに過ぎない。韓国が敵視政策をやめ、「太陽政策」という融和策をとるのは北朝鮮の軍事的脅威より、「崩壊」による混乱、経済的打撃、負担が怖いから。いずれもなるほどと思った。他にも金日成は実在の抗日パルチザンの英雄として実在したが、30年代に死んでおり、我々が知っている金日成は偽物。李朝時代には女系を排した父系血族主義の「宗族」があったが、酷い身分制がいまも残っている。故・司馬遼太郎氏が「儒教と賄賂は不可分」と言われたことを記憶しているが、読めば読むほど酷い国である。そして、民族的優越意識は韓国にも強く残っており、それが「反日」という形をとっている。北朝鮮に対する疑問の多くに答えてくれ、納得のいくものが多く、良書である。「拉致問題」以降、日本単独での「経済制裁」にも世論の過半が賛成する状態だが、相手が相手なので、「切り札」を持ちながらも、感情的なリアクションではなく、「国益」を考えた冷静な対処策を考えるうえでも、この本はとても参考になった。



3.  とても良い improvisatorenさん 書き込み日: 2003年10月13日

目を開かれる思いがする

最近の韓国人の北朝鮮に対する姿勢には大変疑問を感じていたが、この本によって氷解したように思う。自国の大統領を暗殺しようとする企てを外国で行ったり,飛行機を墜落させたりと、金正日と韓国とはとても妥協の余地などない不倶戴天の敵ではないかと思っていたが、その疑問に対する答えはいちいち腑に落ちるものであった。私が最も注目したのはアメリカの戦前の日本に対する見方の項で、アメリカには日本は非欧米世界の野蛮で無知蒙昧としか見えていなかったのだというのも納得のいく意見である。注目の一冊。



4.  とても良い もうすぐ年金がもらえるおじさんさん 書き込み日: 2004年08月04日

北朝鮮のみならず韓国のことも日本のことも良く分かる

 北朝鮮はどうしてあのように専制的で、日本に対して威圧的なのだろう。韓国の男性はどうして厨房に入らないのだろう。韓国にどうしてキリスト教徒が多いのだろう。北朝鮮も韓国もどうして大国、特に中国に従順なのだろう(事大主義)。
 本書を読むとこれらの疑問が氷解する。そしてあらためて歴史の重さを感じる。これらは主に次の理由による:

 ?日本より厳しい儒教を中心とする李朝王朝の伝統が朝鮮半島に強い影響力を残していること。そして北朝鮮の専制体制は李朝王朝に非常に良く似ている事。
 ?父系血縁制が徹底している事。
 ?海に守られた日本は中国の朝貢国となることを免れたが、李朝はずっと中国に朝貢していたこと。
 

 また、北朝鮮も韓国も戦後漢字を廃してハングルのみを使用したが、これによって抽象的な思考ができなくなり、過去の文化の継承が困難になったという指摘も興味深かった。
 北朝鮮も韓国も、儒教の影響を受けているところや言葉の語順は日本と似ているが、文化や考え方が大幅に異なるのは、歴史的背景によることが良くわかった。



5.  とても良い efremさん 書き込み日: 2003年11月12日

全世界の人に読んでもらいたい!!

最初に一通り読んで思った事は、この本は日本人に北朝鮮と言う国のバックグランドを知ってもらうのと同時に、韓国を含むアジアに向けての警告でもあり、アメリカをはじめアジア以外の国に向けての警告でもあるなと感じた。

北朝鮮の人々がどうしてあのようになってしまったか?現在の日本に有る情報は一つ一つに事柄に一部のマスコミが過剰に表面的に反応して日本人を煽りたてているだけである。やはりバックグランドを知らないと、ただ野蛮な恐ろしい国だと認識するのは自然であり偏見が偏見を生む悪循環に入り込む。この本を読むと歴史にそって北朝鮮の変遷が見えてくる。どのようにして今の北朝鮮とつきあって行けば良いのか、是非この本をたくさんの人に目を通してもらい様々な角度から議論・検証を重ねて行くとこが必要だと感じる。



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