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小論文指導のベテランが熱く語る「想いを伝える文章」のコツ |
最近自分の文章が気になっていた。カサカサしている、訴える力が弱い、リズムが悪い、そして何より読みにくい。そんな時、たまたま立ち寄った書店で手にしたのが本書である。 プロローグは、「あなたが切実に受け止めるのはどんなことですか」という設問に「とりあえず」の多い文章で解答した17歳の少女を著者が指導して、心のこもった文章が出来あがる体験からはじまる。そして、訴える力のある文章は自分の頭で考えたもので、自分の頭でものを考えないことは「不自由」なことなのだと説く。 続いて、文章の7つの要件、意見・望む結果・論点・読み手・自分の立場・論拠・根本思想が、実例を交えながら解説される。 実践編では、上司を説得する、お願いの文章を書く、議事録を書く、自薦状???書く、お詫びをする、メールを書く、というようにそれぞれのシチュエーションに応じた書き方が解説される。私は仕事柄詫び状をいくつも書いたが、ここで例示された詫び状は大変参考になった。議事録の書き方も使えると思った。 上級編では「引きの伝達術」、「動機を作る」、「やる気をわかせる指示の出し方」、「思考停止ポイントを発見する」という4つのノウハウが披露される。 さらに著者のコミュニケーションに対する考え方、エピローグと続き、自分の思いを殺して表面的な結果を得るのではなく、自分の偽らざる想いを相手に伝えて人とかかわって行く大切さを説く。 本書を構成する一つ一つの文章は、借り物でなく、自分の頭で考え抜かれたものである。文章のリズムも良い。例えば「今日も、ち?うした教科書にのらない名文が、どこかで書かれている。おかげで、電車は走り、ビルは建ち、宅配便が届き、世の中が回っていく。」といった調子である。ハウツー物の域を越えてコミュニケーション論・人生論までの広がりを感じさせる、入魂の一書である。 |
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