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生きることも死ぬこともイヤな人のための本

生きることも死ぬこともイヤな人のための本

良い / 口コミ件数 : 3


価格 : 1,470 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:3 1
1.  とても良い すやさん 書き込み日: 2009年04月29日

解決法は書いていないが

タイトルを見て「た、確かに・・・」と思う自分を見つけてしまったので購入。

初めに言っておきたいのは、この本には『生きることも死ぬこともイヤな人のための解決策』は書かれていない。それどころかこの本を通して、著者は人生はむなしいものだというスタイルを貫いている。

大体の流れとしては、まずはじめに『生きていたくない』という点について議論をし、その後は人生は空しいものだがとりあえず自殺はしないという前提のもと、生きる上での問題(世間、仕事、評判、愛)を論じた後、最後に死ぬことについて語る。

著者は文字通り世間の常識にとらわれない議論をしている。生きていたくない人の『なぜ自殺してはいけないか』という疑問に対してはその疑問を完全に消しさるような理由は挙げられないと著者は言う。かといって生きているのは、人はいつかは死んでしまうことを考えるとどう考えてもむなしいものだ。では何故自殺を選らばないのか?

それは自殺する理由もないからである。今生きているという状態から死んでいるという状態に遷移するエネルギーがない限り生きていくしかない。この様な議論で『生きることも死ぬこともイヤ』という命題は矛盾しないことになる。

≪私が道徳的に善いとされていることに従うのは、(中略)生きるのに便利だから、社会に排斥されないから、つまり快だからであり、それ以上の意味はない≫

という言葉は道徳的基準(自殺してはならないとか、人を殺してはならないとか)を自己が内包してしまい、引き換えとして考えることを失ってしまった私たちには耳が痛い。

最後の死について考える章だが、書いてあることは理解するのは容易だが、それをアクセプトできるかというと、それは読者次第だろう。

死の後にやってくる『無であることを想起することもできない無』を受け入れるのも、宗教の教えにすがろうとするのもその人次第。

そして最後に振り出しに戻る。そういう本です。



2.  良い 百歩さん 書き込み日: 2005年10月17日

哲学初心者・中級者にオススメ

さて、この本。中島義道さんの著作の中でも読みやすい一冊です。
内輪ネタも多いので、他の著作もあわせて読むことをオススメしますが、
まず、この本を読んで、興味があるとしてからでも遅くありません。
他の著作を知らなくても、意義深いことが書かれています。

題の示すとおりに、しかも『哲学』として、
真摯にかつ的確に迫っていない、ある意味、ウソや幻想がまったくないご意見です。『哲学』の持つ『救い』のある本です。
ちまたにあふれるビシネス書や自己啓発などに、一石投じています。
ま、ちまたにあふれている、生きづらさに対する『ご意見』
が飲み屋街のきらきらネオン的なものだとしたら、
この本のほうが、真っ暗なしっかりとした暗闇にさす、わずかな光のような人生に対する希望みたいなのがよくわかります。
見せかけのきれい!では済まされない。

こういう『哲学』が言える、できるようになりたいものです。



3.  悪い さん 書き込み日: 2005年09月14日

中島さん、もうすぐ還暦なんですね

『働くことがイヤな人のための本』(2001)の続編。今回も架空の登場人物が4人出てきて著者自身と討論するという形になっている。中島氏はこの形式が好きだが、『カイン』のときのような書き言葉ならともかく、話し言葉での対話としてはリアリティに欠ける。しかも結局、登場するのは自分の分身だから、誰の発言も義道節(=恨み節)になってくる。
ただし、一見「まとも」で「善良」な人々の中に潜む「悪」を暴き、徹底的に世間をねめつけていく言葉の存在も、一方では貴重なんじゃないかと思う(『悪について』は骨太な好著であった)。多数者としてこの社会を設計し、構成し、運営していく主導権を握っている人々は、自分の感受性が多数派のそれと一致していることで安心し、自らの良識を過信しているようなところが少なからずあるので。
中島本は好き嫌いがきっぱり分かれるので評価に困る。万人に薦められる内容ではないこと、帯に書いてあることが本書の内容を反映していないこと(いくら売るためとはいえ、内容とちがうこと書いちゃいかんぜよ)等を考慮して、星二つ。読後は、文中にも引用されているホッファーでも読んで、中和することをお勧めします。



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