とても良い / 口コミ件数 : 7件
価格 : 903 円
・本書は「働く個人」に「組織論ではこのように考えてますよ」と説明している本である。内容は決して半端ではない。 ・本書1冊を読んでおけば、組織論は一通り話ができる人になれる。 ・金井先生の軽妙な語り口に乗せられてしまうと、難しいはずの組織の問題もすらすら読めて仕舞います。 ・筆者の場合、「マズローの欲求階層」が一番頭に残ってます。 ・日経文庫なので携帯に便利ですが、内容の「質」は落ちていません。 ・必携の一冊といえる本です。
本書は、序段において組織に関する学説的な視点を網羅的に触れ、そこから個人と組織との関わり方についてさらに深く踏み込んで詳説を行っている。 作品の構成としては章ごとに異なる見方を用いて組織の捉え方を紹介しているのだが、作品全体を通じてハイライトされていると感じた視点は下記の2点だ。 1.組織人と仕事人の対比 2.「平時」と「非常時」の双方への対応を意識した組織設計 1.組織人と仕事人の対比 従来型の日本の組織に所属する人は、組織人が多数派を占める。日本人特有の仕事中心性あるいは、日本人の組織と個人の位置関係の捉え方などにもよく表れている。ただ、この対比が単なる対比ではすまないと感じたのは、仕事に対するポジティブに感じる要因は仕事そのものから発生していることが多いの対して、ネガティブに感じる要因は環境(組織)から感じることが多いという研究結果が紹介されていることだ。すなわち、組織人は自己実現という目的を設定したときには非常に危うい存在であるということである。 2.「平時」と「非常時」の双方への対応を意識した組織設計 この視点に関しては様々な視点を通じた考察が行われている。リーダーとマネージャーの比較や、「非常時」に対応するためのリソースの確保や情報共有のあり方などだ。非常に興味深いのは、業務を出来る限り簡素化してルーチン処理する組織が優れているというわけではなく、その業界では非日常的な事象がどれくらい多く発生するかに応じて、ルーチン化すべき業務の比率をコントロールすることが求められるということである。 個人と組織の位置関係から組織設計を検討されている方にお勧めしたい一冊である。
学生でも理解しやすい書き出しで、すらすら読むことが出来ました。ただ、経営学に全く触れたことがない方は(一から勉強したいという方は)、「経営学が面白いほどよくわかる本」という書物が出ていますので、そちらから読んだ方がわかりやすいでしょう。組織という言葉がかたかたしく感じるかも知れませんが、予備知識程度があれば簡単に理解出来ると思います。とある大学の経営組織論担当教員の方も、学生にすすめているそうですから、良書だと言えそうです。
本書はとても読みやすい。なぜだろうかと考えてみると、著者が苦心したように、会社組織のメンバー一人ひとりの視点に立って描かれているからではないでしょうか。 著者が気さくに語りかけてくる(笑)ので、いやおうなく、組織と個人のあり方について考えさせられます。 普通の(経営者のための)組織論とは違った切り口が新鮮です。
また、出典や参考文献紹介も充実しているので「組織論」のガイドブックとしても最適。中小企業診断士の科目、企業経営理論―組織論―、がイマイチ実感が湧かないという方も一読ください。薄いけど、中味は濃い一冊です。
経営学というのは、経済学などと違って、体系的に学ぶのが難しいようです。中でも組織論は、さまざまな学問の「ものの見方(パースペクティブ)」を取り入れて進化しており、モザイクのような様相で成り立っています。 この本は、入門書ながらさまざまなものの見方(=レンズ)を網羅的に紹介しています。このようなテキストは、海外のものでは少なくなく、メアリージョーハッチやギャレスモーガンの著書がそれにあたります。著者は、これらのテキストのあり様を十分踏まえたうえで、日本で発展した理論レンズをも含めてテキストを執筆したようにみえます。 とにかく、コストパフォーマンスの高い著作です。大学・大学院で学ぶ人、企業の方を問わず、組織論を学ぼうとする人にはお奨めの一冊です。最近のポストモダンの潮流を取り入れて欲しかったので星を一つだけ減らしましたが、実際5つ星の価値があります。