とても良い / 口コミ件数 : 3件
価格 : 1,470 円
昨年の秋の本で日本半導体の復活を見事に予想した著者の本でしたので、期待して読みました。結果、期待は見事叶えられました。私は電機メーカーに勤めているのですが、正直、自分の会社の、業界の未来に不安を持っていましたが、この本を読んで大分、自信が持てました。韓国や台湾に比べ、後手後手に回っているように見える日本メーカーがどのような戦略のもとに、どういう方向に向かおうとしているのか、よくわかったからです。また、最近無策に見えている、経済産業省や自治体が実はまた、非常にパワフルに手を打っていることがわかり、日本の官僚も捨てたものではないということがわかりました。
非常に熱い本。ここまで熱くて冷静に判断できるのか、ちょっと心配になる。いや、熱くなるのも無理はない。職場で定期購読している「日経ものづくり」で、プラズマディスプレイの開発ドキュメントを、以前(この月刊誌がこの奇妙な名前に替わる前)に読んだが、まさに血と汗と涙の物語だったと記憶している。同じ日本人として、開発者として、共感せずにはいられまい。やっぱり、開発の基本はハードワークなんだと思う仕事では国産の部品を使い、家庭では国産の商品を買いたくなった。あとは、デザインさえよくなれば、日本の商品はもっと競争力が出るんだけどなーと思う。著者や、大企業の意思決定者に、内容さえ良ければデザインはそこそこでも売れるという過信がいまだあるとすれば残念であるが。
液晶・プラズマ・有機EL・FEDといったブラウン管に代わるテレビ用ディスプレイを巡る状況を紹介した本です。筆者は半導体産業新聞の編集長。どの方式が本命になるのか明言は避けていますが、どうやら筆者は液晶の全盛期は今であり、将来の本命は別の方式と考えているようです。
筆者は次世代ディスプレイを巡る各社の動きを日・韓・台・中の争いとして描き、日本が勝つことを願い、かつ信じています。この辺りの国籍へのこだわりは実際にビジネスに携わっている者にはあまりない感覚です。そういう意味では関係者向けというよりは一般向けの筆致なのですが、こんなテーマを一般の人がそれほど興味を持つとは思えません。AV機器オタク向けってことかな?