とても良い / 口コミ件数 : 8件
価格 : 3,150 円
本書は確率論の基礎からランダムウォーク、ブラウン運動、伊藤過程とその応用としての数理ファイナンス理論といった多くの内容を比較的少ないページ数で無駄なく解説したものである。私は物理学科出身であるが近年この分野を学ぶ必要からこの分野の解説書を探していたところ出会ったのが本書であった。 この本のすばらしいところは全章にわたり、多くの例を交えたりしながら直感的に解りやすい説明を心がけているところである。そしてその例のチョイスが実に的確で本質を捉えているためこれらは初学者が理解をする助けになると思う。計算をするにしても、ただ公式に当てはめ計算して答えを出してわかった気にさせるのではなく、しっかりその計算の目的や結果の議論が易しく書かれているのは初学者にとって非常に心強いものである。 また、それでいて7章などに見られるようにある程度の数学的厳密さも保っており、ここでも初学者がつまずきやすい数学的な定理・定義の重要なポイント(どういう意味でなぜ重要か)を平易な日本語で解説してくれている。本書を読んで一見難しい数学の定理についても「あー、こういうことだったのか」と思えた読者も多いのではなかろうか。またよりアドバンスな内容や、本質から外れるような厳密な数学的証明などには、参考文献がしっかり引用してある点も好感が持てる。 (本の趣旨の問題上扱わないと断っていることは重要であるし、文献が引いてあるだけで安心できる!) このような解説は著者が確率過程の本質を深く理解しているからこそできるものであり、ごまかしのない確率過程の入門書として是非薦めたい本である。
ギルサノフの定理、マルチンゲール、測度変換、伊藤のレンマ。どれも、デリバティブのプライシングには欠かせないツールですが、トライしてみて挫けた初学者は多いのではないでしょうか。自分もその一人でした。しかし、この本に出会ってようやく理解できました。本書の続編またはシリーズ化を強く望みます。
『確率過程』は私の属する金融機関の人間、特に“派生証券”、“金融リスク分析”にかかわる者にとっては必須の知識となってきています。一方、「この分野はなかなか難しくて…」と言う人が多いのが現状です。類書は一般に初級者にとって敷居が高く、意欲があっても多くが途中で挫折してしまうというのが実情ではないでしょうか。そういった中、この本を見つけました。「レベルを維持しつつも書かれている内容がわかりやすい」。それがこの本の印象でした。さっそく同僚に勧めましたが「今までよくわかってなかった部分がよく理解できた」との感想を寄せる者もおり、この本を見つけて良かったと思っています。
昨年末、伊藤清先生がご逝去され、新聞等にも先生の功績やウォール街における著名度が紹介されていたので、伊藤理論に興味を持ちました。自分は金融とは無縁で、単にちょっと難しそうなことに興味を抱いただけの社会人ですが、何しろピタゴラスの定理についで多く参照されている定理というのですから興味が湧きました。確率過程はかつてちょっと齧り掛けて、すぐに挫折したことがあり、確かにとっつき難いというイメージがありました。 第1-5章は確率論の基礎。復習には良いかもしれませんが、やはりこの本のメインは第6-10章。第8章でベースとなるブラウン運動が説明され、9章でようやく伊藤積分登場。通常の積分との違いが概ね理解でき、なるほど、という感じでした。10章のファイナンスへの応用例についてはこの分野に不慣れな自分にとってはちょっと分かりづらいのですが、続編に期待です。 初心者に道筋を、という著者の意図は十分に達せられていると思います。
しばらく眠っていたがようやく一から読み直してみた とてもわかりやすく丁寧に書かれている 基礎である第1〜3章だけでも十分役に立つと思う どうしても敬遠されがちな分野ではあるがやはり基礎だけは知っておいた方がいいに決まっている 苦手ではあるが必要性を常々感じている人にお勧めしたい 肝である「ランダム・ウォーク」「ブラウン運動」「確率積分と伊藤の公式」をクリアできればこわいものなしである 続編が予定されているらしいので、続編に期待したい