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環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)

良い / 口コミ件数 : 41


価格 : 798 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い 蔵研也さん 書き込み日: 2006年12月04日

環境問題の含む政治性をあばく

著者は1、地球温暖化はむしろ太陽活動によるものであり、CO2とはおそらく無関係だろうという仮説、2、ダイオキシン汚染は健康被害に及ぶほどのレベルではなく、現行の焼却施設で十分に健康は維持できるという説、3、外来種絶滅は環境省の利権追及による「遺伝子汚染」を防ぐためのナチズムである、という主張をしています。

科学は多くの仮説によって成り立っているため、たしかに著者の言うことが正しいのか、あるいは正統派のマスコミの言う説が正しいのかは、はっきりしないかもしれません。しかし、茶者が指摘するように、ダイオキシン規制をしているのが、主に焼却炉の業者、分析業者と官僚であったりすれば、結論は怪しくなるでしょう。

一般的にいってもCO2の排出規制は費用の割りには、効果の少ない方法であり、それならば途上国民の直接援助をするべきでしょう。また外来種の根絶というのは、いま現在日本に住んでいるアライグマなどを殺すということであり、また私もナチスの集団主義に通底するものを感じる和歌山県のタイワンザルとニホンザルの雑種の駆除などを意味するのです。雑種とは人間で言えば、ハーフのことを意味するに過ぎません。これらのことに税金を使うのはまさに政治活動のもつ愚の骨頂だといえるでしょう。

漠然と社会主義が変化した環境主義への警告の書として、本書の意義はすべての自由主義者が知るべきバックグラウンドを提供しています。あえて惜しむらくは、どこまでがまじめな主張で、どこがオチャラケているのかがあまり判然としない部分もあることでしょうか。



2.  とても良い 二太郎3さん 書き込み日: 2007年10月11日

世間にすすめたい良書

低評価のレビューを購入前に見ていたので、最初は眉にツバをつけて読みすすめていた。読み終えて評価が180度変わった。結論からいって、この本はたいへんな良書だと思う

理由は今のニッポンから無くなってしまった、モノの考え方に対する、何とも言えないバランスの良さである。著者自身は昆虫愛好家でありながら、まず環境保護ありきという昨今の風潮にはつよい疑念を示し、保護するしないは倫理・経済的なメリット・デメリットの兼ね合いで決まるべきとしている。

具体的には、棲息地に道やホテルができることも地域・経済的な社会メリットを生むなら認めようという態度を示しつつ、実体はそうでなく、省庁や一部業者の利権のみからすすめられ、社会的コストの浪費および環境破壊というダブルデメリットを生むから反対だ、という主張は、広い視野から世間を見ており、品格を感じる。

単に自然や野生動物は大事なものだから保護しましょう、というセンチメンタルな自然保護論とは異なるし、とにかく環境保護!という、結論が先に決まっている一部の環境論とも一線を画する。

いわゆるロンボルグ的主張を、一般の日本人向けに平易に書き下ろしてくれている。そもそもあの分厚くて文字の小さいロンボルグ本はなかなか人に勧められないが、この本なら代用になり得る。

その結果、読みおえたけど私は賛成しない、という人が現れるのは全く構わないと思う。主義主張はいろいろあるし、この本は口語調で書かれており、また何カ所かで筆がすべったというか、ドキッとするようなことも書かれている。それが一部の低評価につながっているのだろう。

ただしこの本のあそこがおかしい、ここが不正確だ、また掘り下げが浅いという批評は枝葉末節である。それなら専門書を読んだらよい。この本は一般書であり、何よりバランスが好ましい。そのような批評が、この本を読まずにダメと思いこむ人を増やすことを、残念に思う。



3.  とても良い タヌキさん 書き込み日: 2007年03月22日

たしかに

一般的な認識とはあまりにかけ離れた内容であり、にわかには受け入れられないような突拍子もない一冊。ただし、「いまだに論理的な反論意見・著作が見当たらない」という専門家の話から察するに、それほど信憑性のないとんでもないものでもなさそうだ。口語体の読みやすい文で分かりやすく書かれており、「読み物」としても面白いのでおすすめである。



4.  とても良い 山耕一郎さん 書き込み日: 2007年11月17日

良質な本

 先日、ゴア元副大統領とIPCCがノーベル平和賞を受賞しましたが温暖化について
双方の意見が食い違っていることを知る人は少ないでしょう。ゴアが数年で低地が海没
すると主張するのに対してIPCCは50〜100年後・・・。
 マスメディアはいつも嘘に満ちています。この本はそんな感情的エコロジーの処方箋
として役に立ちます。ダイオキシンに関してもニュ−スステーションの誤報が問題を
大きくしたことは当時の人には周知の事実ですがいまだにそれを知らない人もいます。
そもそもダイオキシンの問題性が指摘された90年代後半、科学者たちの統計によって
ダイオキシン濃度が激減していることは新聞紙上ですら確認することができました。
そして多くの人が都会や田舎で目にしているように巨大な最新式の焼却場が全国に続々
と出来つつあります(ダイオキシンは発生しない)。とはいえその地域にすんでいる人に
そのことを告げても初耳だ、という人が多いのですが・・。
 ただ著者には、今中国からものすごい勢いで流れてくる排気ガスなどの越境汚染、についても
もっと語ってほしかったです。
 エコロジストたちが唯一口をつぐむのが、中国からの越境汚染なのですから。



5.  とても良い たけぞうさん 書き込み日: 2006年02月12日

この本をきっかけとして健全な議論をするべき

 本の帯びには「京都議定書を守っている日本はバカだ」とか書いてある。本当かな,さすがにそれは言い過ぎなんじゃないの,とふつうのひとは思うだろう。しかし,この本は,様々な科学的データに裏付けられて論じてあって,非常に説得的である。
 レビューでは賛否両論あるようだ。それぞれが都合のよいところだけを取り上げて是非を論じるのはある程度しかたないが,まずは筆者の主張をしっかり踏まえるべきだろう。ということで,以下その主張の要諦を引用してみる(p.48-58)。
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 日本では政府マスコミ挙げて二酸化炭素の削減は絶対の正義みたいな論調だけども,バッカじゃなかろうかと私は思う。人為的温暖化説が正しいとして,京都議定書が完璧に実行されたとしても,百年後の気温上昇をほんの六年ほど遅らせることができるだけなのだ。全く何もしなかった時に二〇九四年に実現されるはずの気温上昇(モデルによって異なるが約二度ほど上昇)を二一〇〇年に遅らせることができるだけだ。アメリカがずっと離脱したままだと差はもっと小さくなる。これを焼け石に水という。しかも焼け石にかけている水のコストはハンパじゃない。火事を消そうとしてペットボトルから高価な水をかけているようなものだ。もし,私が信じているように,人為的温暖化説がインチキだとしたら,高価なペットボトルをただドブに捨てているのと同じことだ。これを愚かと言わずして何を愚かというべきか。

 ところで,京都議定書を実現するのにどのぐらいコストがかかるのだろうか。(略)ロンボルグによれば,おおよそ年に全世界で20兆円ほど,日本だけで1兆円から2兆円ほどかかりそうだ。(略)これだけコストをかけても,人為的温暖化説が正しいとして,温暖化をほんの数年遅らせることができるだけだ。(略)コストをはじめから全部,温暖化対策自体のコストに注ぎ込んだ方がはるかに賢明ではないか。
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この部分にきちんと反論できなければ,たとえ人為的温暖化説が正しかったとしても,池田の主張を退けたことにはならない,ということをちゃんと理解する必要があるだろう。最初から是非を決めつけるのではなく,まずはこういったことから健全に議論をしていくことが大事なのだと思う。



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