とても良い / 口コミ件数 : 6件
価格 : 714 円
どつき漫才なんだけど、けっこうシビアに削りあうのでびっくり。どつき漫才を通じて、日本におけるフェミニズムの歴史、現在の情勢論、課題、二人の立ち位置などについての大雑把な知識を学ぶことができる。上野は官僚のように怜悧でありながら浮世離れしているし、小倉は単なるおばさんなんだけど現実感覚に優れ、理論との整合性が上野より取れている。この本を読んでやはりフェミニズムって消滅したのかなという思いにかられる。定義不能な「一人一派」の思想だからというより、リベラル・フェミニズムとラディカル・フェミニズムの分裂の話などを聴くと、もう延命する意義が尽きている感じがする。リベラルが制度と結託し、体制の内部に繰り込まれる一方、ラディカルはより思弁性の過剰な追求に向かう。性的自由の確立をプライオリティに最上位に掲げ、男女関係を法的に規定する「結婚制度」を否定するのであれば、法制度そのものから「結婚制度」の抹消する方向で運動すべきであるはずだか、さすがに現実性がないのかそうした方向には向かわない。上野が「理念が現実を変えてきた歴史はない」それは「説明」であり「解釈」だ、「現実の後追いだ」という時、それはすでにフェミニズムが現実に対して約束された未来への透視図として機能していないことを、自己了解していることを意味している。かたや体制の中で自己実現を遂げようともがき、かたや過剰な思弁性の中でマイノリティの自己記述へと自閉していく日本のフェミニズムの混迷を、徹底して懐疑することで生き抜いてきた二人の代表的なフェミニストから知らされることに、やはりある種の感慨を感じざるをえない。
フェミニズムとかジェンダーと聞いただけでアレルギー反応を起こす様な方でも、とりあえず一読されると、今まで気がつかない視点でものごとが見れるようになる本だと思われます。上野千鶴子さんは、研究者でありながら、学術用語を多用せず、「難しいことを判り易く」且つ「面白く」書いてくれる方だと思います。「難しいことを(より)難しく」書くのが得意な研究者は多いと思いますが。。。。
「面白い」の一言に尽きる。フェミニズムという言葉にアレルギー反応を起こして、これを読まないのは本当にもったいないです。
そう問いかける小倉さんの「嘘や!」という叫びに「それが現実ですから」と切って捨てる上野さん。 こんなにハラハラする本は私には珍しかった。 フェミニズムは衰退したか?といったテーマで「盛り上がってたときなんてある?」という上野。彼女の講座で学んでもやっぱり結婚したいという生徒さん達「可愛いカップ揃えたいもん」とは参った。 「結婚?理解できん」と世間に訴えかけてもやっぱり女性にとって生きにくい社会には変わりないじゃないかと途方に暮れて小倉さんひきこもり。 それにたいして「割とロマンティシズムがおありで」と上野さんは言うが、彼女は彼女で「それが現実」という諦観がにじみ出ているセリフを吐いていたり、先達の血で滲んでいるフェミニズムを今後どのような人たちが受け継いでいくのかが気になる。
フェミニズムの食わず嫌いは損ですよ、と思わせる本。現実を見据えてる割に意外と繊細な小倉千加子と残酷なくらい突き抜けている上野千鶴子。時に同意し、時に批判し合いながら、なんだかんだと話が続いていくのが面白い。対談のいいところが出ていると思う。 ただ「フェミニズムは一人一派」と断言するなんて学問の一分野としてどうなの?という疑問は湧く。それにしたって全くイデオロギーの違う人たちが共存している分野は他にもある訳で、そういう主張が出てくるのも分かる気はする。そしてフェミニズムは続く、のか?