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ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

とても良い / 口コミ件数 : 167


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1.  とても良い 岡 敏充さん 書き込み日: 2002年02月04日

改善プロセスだけではない

私は本書を読んで、その改善プロセスも興味深かったが、それ以上にその改善プロセスを生み出していく過程・アプローチに大変興味をもったので、それについて述べる。

1.コーチング手法によるアプローチ

 本ストーリーは、所長が偶然に再会した恩師に改善の方法やポイントのアドバイスを求めるが、恩師はアドバイスや回答は示さず、逆に質問をして所長に答えを探させるという謎解きの手法で展開していく。これは小説的には推理小説のように謎解きで読者の興味を誘う手法であろうが、私には単純にそうは思えなかった。

より高い成果は、人から教えられ与えられたものでは得られず、自ら悩み考え出したもので得られると考える。すなわち、上司は部下に対して解決策等のアドバイスや回答を一方的に示すのではなく、部下に質問することで部下を悩ませ考えさせ、そして対策案を引き出し実行させる。部下は自分の発案であるから、やる気が出て、自発的に実効ある行動をとり、より高い成果に繋がっていく。これは、「答えは相手の中にあり、上司はそれをうまく引き出し、自発的な行動を促す」というまさしくコーチングの手法である。

2.組織を超えての検討チーム

本書で改善を中心になって進めるのは、所長・製造担当・経理担当・資材担当・データ処理担当といった、時には敵対しかねない立場の異なった5人である。しかし、彼らが目標達成に向けて侃侃諤諤議論して成功へと邁進していく。このことは本来あたりまえのことだが、現実にはうまく機能していないのが実情であろう。すなわち、それぞれの立場を背負っての検討チームではなく、立場を超えて自由に論議・発案できる、組織を超えた検討のできるチーム運営の実現が必要である。

3.家族(第3者)のサポート

忘れていけないのが仕事には直接無関係の家族(第3者)によるサポートである。所長の夫婦関係は最初はお互いの立場を理解しようとせず溝がふかまり離婚の危機となったが、お互いが関係修復に向けて努力した結果、お互いの立場を理解しあい、お互いの悩みを共有し、まずは夫の仕事の悩みに対しての会話が出来始めアドバイスができ解決に繋がった。仕事とは全く無関係の異なった観点からの見方・アドバイスではあるが、このようなことが出来る夫婦関係は理想的と言える。さらにキャンプでの隊列の進行速度やマッチ棒ゲームを生産工程にたとえて考察したり、子供との会話の中からもヒントを得るなどは、問題解決に真剣に取組んでいればどのようなものからでもヒントを得ることが出来るということを教えてくれている。

著者は本書の後記の中で次のように述べている。
・本書は改善プロセスのスケジューリングソフトの宣伝ツールであったが、高価なスケジューリングソフトを導入した企業より、本書を読んだのみで改善を図った企業の方が大きな成果をあげたケースがあった。

・また、本書を教科書として社員教育に取り入れた企業でもうまく改善ができず成果が出せなかったケースもあった。
この両者に共通しているのは、自ら取組んだものではなく他人から与えられたものへの取組みである。すなわち、当事者が自分のものとして認識せず、その気にならなかったから成果につながらなかったのではなかろうか。



2.  とても良い MILKさん 書き込み日: 2006年12月02日

おもしろくてとまらない!

工場での業務改善の様子が物語風に書かれている。
工場の専門知識がなくてもわかるようになっており、文体も話し言葉がほとんどで会話をしながら主人公と一緒に学んでいくという形式になっているのでとても読みやすい。

企業や工場の本当の目的な何なのかというところから、根本的な問題を見つけ、その見つけ方を解明し、問題を解決する方法を探していく。小手先だけの解決ではなく、パラダイムシフトが重要だということが言われている。

読み進めながら、なるほど!確かに!という感動が次々に浮かんでくる。
また、この思考プロセスは特定の工場だけでなく、会社全体や人生においても同じことが言えるのではないかと思われる。



3.  とても良い ダチョウ平雅作さん 書き込み日: 2005年07月15日

いつ読んでも再考する起点がある

本書ほど、TOC・全体最適化理論の本質を捉え、かつ、読者の心の奥底に響かせる書籍はないだろう。しかし、そこに止まらない。
 本書では、全体最適化とは何かについて、待ち行列理論、分散・偏差等の数理思考、管理会計の盲点やシステム思考等々を随所に(暗に)織り交ぜながら、軽いタッチでストーリーが展開していく。しかしその実、最も見落としがちな「目的」を意識すること、自分が現場でギリギリと知恵を絞ることが如何に重要であるかを、切々と訴えかけてくる。だが、これこそが、生産現場で起きる、矛盾や手段の混乱と解決方法の関係の仮説化、構造化の本質であり、全体最適化理論・スループット会計の神髄と言える。この神髄をこれほど明快に描写した書籍には出会ったことがない。
 今、MBA等ビジネス教育はまっさかり、多くの人々が様々な経営技術に触れる機会が増えている。スペシャリストという職種も増加中だ。しかし、組織や社会の中で、自分が何をすべきなのか、その目的をまず意識しなければ、こうした技術やスペシャリストは、その導入・採用自体が目的化してしまう。多くの日本企業がIT等新たな技術を取り入れながらも満足いく結果を得られない。その理由の多くが、そもそも本来の目的GOALは何だったのか、それを意識できていないことにあるように思う。
 そもそも「目的」は何なのか、このIssueに対して極めてClearな視界を与えてくれる。



4.  とても良い akiyomuさん 書き込み日: 2005年09月11日

非常に参考になった

生産管理やTOC理論の全く知識がない状態で読んだが、小説の形を取っていることでまるで現場で一緒に課題に取り組んでいるように読み進めることができた。
生産ラインに現れる「依存的現象」と「統計的変動」に着目し、ボトルネックが全体のフローのスループットを決定づけるという一見机上の空論に見える理論が、小説の中で現場の課題に適用されていく過程を見せることで説得力を増している。
企業の目的が「スループット」の最大化であるという指摘については色々考えさせられた。在庫や作業経費を変動費と見なせば、「限界利益の最大化」を目標にすべきだということになる。私の会社のようなプロジェクト単位の利益が目標となっている場合、アウトソーシングすることでプロジェクト単位の利益は確保できるが、固定費である自社のリソースを有効活用せず、全社利益に貢献していない状況が発生している。「限界利益の最大化」を全社共通指標にすれば、全社目標と個々のプロジェクト目標にずれがなくなる。このあたりは他の本でも書かれているのかもしれないが、本書を読んでそれを実感することができた。



5.  とても良い kakitsubata_1990さん 書き込み日: 2007年02月04日

小説でTOC理論(経営工学の制約理論)を学ぶ

 
小説を読みながら、TOC理論が理解できるので良いです。
 
小生なりの理解では、経営工学とは、
1)工場の生産性向上
    原材料調達・生産計画・工場管理/改善・工程管理/改善・原価管理など、た
    ぶん、工場の生産性に関する全ての理系的アプローチが含まれる。
    そして、最近、トヨタ式生産方式(の考え方)が、郵政公社の作業効率改善
    に役立てられるなど、もしかしたら、対象は工場に限らないのかもしれない。
2)作業の効率向上
    ここでいう作業には、生産/製造活動・設計作業・実験作業、物流運搬作業
    など、たぶん全ての作業が含まれる。
を目指した工学的(実践的)学問ですが、
その経営工学の中にある制約理論を、ドキュメンタリ風の小説を読むことで難なく
理解できてしまいます。
 
とうわけで、経営工学を学ぶ人は当然として、文系・理系を問わず、読んでおいて損
は無い本です。




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