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M&A(企業の合併・買収)というと、乗っ取り的なイメージがあり、幹部のすげ替えや大量のリストラが頭に浮かびます。著者が提唱する日本式M&Aは、社名・業種を変えず、リストラもしないというもの。それは、人を「人財」と考えて大切にする著者の人道主義でもあり、また、社員および顧客を含めた既存の経営資源を有効に活用する戦略でもあります。
この本を読んで、まずM&Aに対する認識が大きく変わりました。人を大切にするM&Aだからこそ、成功したのだと納得できました。また、著者の経営哲学に感銘を受けました。
数々のM&Aを成功させ、現在ヤマノホールディングコーポレーション代表取締役となっている山野氏によるM&Aの手引き。 山野氏のやり方の細かいところまで、逐一コピーすることが成功につながるとは思いませんが、一つ勉強になったことは、氏は「有言実行」の人である、ということ。M&Aをするにあたっての企業選びの基準(同社の美道五原則―顔、髪、装い、健康美、精神美に合致する企業)が明確な上に、M&Aした後どう再生させる(相撲は自分の土俵でとる、雇用調整はしない、社名と業種は原則変えない、買った会社は売らない)か、という道筋もはっきりしている。言ったことはやり通す、という氏のコミットメントが、氏の手がけた数々のM&Aが成功している真の要因であるように思います。 徹底力のある経営者がどうビジネスを切り盛りするのか、そうした視点から、大変よい刺激になる本。