とても良い / 口コミ件数 : 8件
価格 : 1,050 円
本多氏の腕白な幼少期から八十五歳に至るまでの詳細な自伝。 多くの体験談や思い出話が綴ってある。後半部分を中心に、氏の人生経験から得た哲学(人生即努力、努力即幸福、職業の道楽化等)が書いており、氏の人物像と哲学を一通り理解することができる。 このため、最近発売した「私の財産告白」等を読んでいなくても問題ないと思われる。 いずれにしても、本多氏の著書は繰り返し、長く読むことのできる名書であるのは間違いない。
「キャッチコピーに「東大教授にして大富豪」とありますが、 スタートは、決して順風満帆ではなかったこと。 「人生即努力」「努力即幸福」・・・の人生観と、 「私の財産告白」を裏打ちした人生・・ 日比谷公園をはじめとする公園の設計、 阿蘇国立公園の設計、 農学部の演習林の事業化、 さらに、関東大震災後の帝都復興計画の際の後藤新平の知恵袋・・・ 圧倒的でした。
よく知られているところでは、日比谷公園の設計に当たった学者でもあり、莫大な富を築いた人でもある著者の自伝です。 実を言うと、神田氏の推薦に惹かれて読みはじめました。 だから、神田氏が常に言っているような、 「春夏秋冬理論」など絡んだ内容なのかと思っていましたが、 そんな薄っぺらい内容ではありませんでした。 いい本を読むきっかけって面白いですね、 これほど骨太な内容の本もなかなかないな、というが印象です。 農家の六男として生まれた著者が、 いかにして立志伝中の人物となったのか、つぶさに書かれています。 が、 この本の本質は、「災禍はあざなえる縄の如し」ともいえる、 人生の妙味を味わうことができるところでしょう。 たとえば、 数学で落第を取って、自殺まで考えたが、 先生にも恵まれて一念発起、猛勉強の末良い成績を上げる。 その経験から、「天才とは努力のこと」ということを知り、 それが努力に努力を重ねるきっかけとなる。 貧困に苦しんだり、多事多端な洋行をしたり、 大きな事業にとりくんだりと、波乱の人生ですが、 決して悲観したりやけにやらないのが、 この方の偉大なところでしょう。 「4分の1天引き蓄財法」などのノウハウでも知られている方ですが、 そんなところよりも「生き様」こそが勉強になります。 魂に熱を吹き込んでくれる、そんな本だと思います。
ぼくは今の職場が気に入っています。 伸び伸びと自分の実力を発揮できるからです。 自由度が高い。やりたいことがやれる。 ところが同じ職場にいても「やりたいことがやれない」「いろいろ制限が多くて不自由だ」と言う人もいるんです。 確かに、やりたいことがやれると言っても何でもやれるわけじゃありませんし、制限が全くないわけじゃない。 でも制限があるから反って自由にやれることも多いんです。 同じ職場なのに、自由にやれるという人もいれば、不自由だと言う人もいる。 楽しんでいる人もいれば、つまらなそうにしている人もいる。 この違いはどこからくるのでしょうか。 この本にこんなことが書いてありました。 ### 職業を道楽化する方法は、ただ一つ、勉強に存する。努力また努力のほかはない。 あらゆる職業は、あらゆる芸術と等しく、それに入るに、はじめの間こそ多少苦しみを経なければならぬが、何人も自己の職業、自己の志向を天職と確信して、迷わず、疑わず、専心に努力するからには、早晩必ずその仕事に面白みを生じてくるものである。 一度その面白みが生じてくることになれば、もはやその仕事は苦痛でなく、負担でなく、義務でもない。 歓喜の力行となって、立派な職業の道楽かとなってくる。(198p) ### 自由に楽しく仕事をするには、職業を道楽化できるかどうかが、そのポイントだとぼくは思っています。 一日の大半の時間を過ごす仕事を、道楽のように楽しみに変えてしまうことなんだと思うのです。 それにはどうしたらいいか。 本田さんは、ただ一つ、勉強に存する、と言います。 勉強とは、事前の予習と、事後の復習からなります。 事前の予習を十分行えば、リスクがどこにあるか分かります。 リスクを避けつつやっていけるので、自由に動ける範囲が広がります。スピードも上げられます。 予習が十分でない場合、どこにリスクがあるかよく分からないので、手探りで進まなくてはいけません。 なるべく安全な道を選んでしまいますから、動ける範囲がすごく狭くなる。 のろのろとスピードも遅くなってしまう。 万が一、リスクに気付かずに地雷を踏んでしまったとき、復習は欠かせません。反省と言ってもいい。 復習しておけば、リカバーも早くなりダメージも少なくなります。 次から同じリスクに陥らなくてすむようにもなります。 復習を怠れば、何度も同じような失敗を繰り返してしまいます。 そうすると心は萎縮し、ますます自由に動けなくなってしまうのです。 こうしてみると、勉強は太陽の光のようなものだと言えますね。 行く道を照らしてくれる光です。 明るい場所を行くなら、どこに危険があるか見えるわけですから、ぴょんぴょんとそこを避けつつ、走り抜けることができる。 勉強こそ、自分の行く道に光を当ててくれ、自分の自由度を上げてくれる方策なんだと思っています。
本多静六氏は明治から昭和にかけて活躍した大富豪であり偉人。この自伝、現代っ子風言葉で一言で表現するなら、「マジ、すげぇ」と言う感じでしょうか。行動力、努力、自制心、知恵、忍耐力、どれをとってもホントに自分と同じ人間か?!と思うほどスゴイです。色んな壁にぶつかるけど、それを努力と工夫で乗り越えていくのがすばらしく、読んでいて「ひょえぇー!」と心底思うすごさ。この人の考えや行いの中に、日々自分に「行」を課すような「1日原稿用紙1枚書く」とか「4分の1貯蓄」などがあり、やはり偉大な人というのは日々積み重ねていく努力から生まれるのだなと思った。 努力する人生って美しいな〜と感じました。何度も読みたい一冊です。