とても良い / 口コミ件数 : 21件
価格 : 777 円
左翼が急進派で右翼が保守。社会科の授業でそう教えられて、そうだったのかなぁ、と何となく納得したような気分になっていたのだが、右翼左翼という単語に数多く出くわしていく中でどうも一概にそうは言えないようだと気づかされた。じゃあ、右翼左翼って何なんだろう? と疑問に思って解説書を探してみたところ運良くこの本に出会ったのだが、自分の様なド素人向けの右翼左翼だけを専門に扱った解説書は少ないらしく、この本をこんな新書サイズで安く手に入れられたのは幸運だったと思う。 内容はまず、辞書的な右翼左翼の意味・定義から、右翼左翼という理念が生まれた歴史をフランス革命までに遡ってたどって考えていく箇所など、とても面白い構成になっている。詳しく言えば全部で、右翼・左翼の一般的解釈、辞書的解釈・定義、右翼左翼の誕生と変遷、日本での右翼左翼の誕生、その変遷と現代の位置づけ、など新書にしては非常に豪勢。しかも、初心者でも簡単に分かるような易しい解説で書かれているのだから飽きないし、いちいち辞書を引く必要もない。歴史事実も一々丁寧な解説が入るので、戦争史や革命史などの理解にもつながる。著者の主観で語られている所も最終章以外は少なく好感が持てる。 面白く、分かりやすく、興味深い。良い本だったと思う。
右翼と左翼を誕生から現代の日本まで追いかけている。 フランス革命についても丁寧に解説してあってすごく面白い。 特に、年代によって右翼左翼というものも徐々に変化しているという部分はとても勉強になった。 現在でも変化しているとすればいずれは右翼左翼という定義に変わって別の定義になるのかもしれない。 左翼や進歩主義がいかに破綻していったかの記述などはなかなかスリリングです。 あとがきも非常に特徴的でした。 新書にしてはボリュームの濃い内容の1冊です。
右翼と左翼(右と左)の対立の論点について、その歴史や各国の状況、特に日本については詳しく、戦前戦後の流れについて、解説。 右と左といっても、これらは思想や立場の相対的尺度であり、各国の歴史やその時々の状況によって、まったく逆を意味することもあり難しい。このあたりを、非常に分かりやすく解説している。 経済統制、安保、ナショナリズム、等等、それらのキーワードと頭の中でなんとなく結びついているものの、その他文化や民族的なことも含めて一度ちゃんと整理して教えてもらいたい、などと思っておられる方には絶好の書である。とにかく分かりやすいです。
「右」「左」の概念を分かりやすく解説した、という意味では右に出るもののない名著。 文章はこの手の本には珍しく読みやすいので、 「思想史や思想の勢力などに興味を持ったが、難しいことはよく分からない、」 という若者でも比較的平易に左右の歴史や相違点を知ることができる。 やや現在の左翼に厳しいスタンスでありながらも、ほぼ中立の立場をとっているのも、 入門者にとってはありがたいところだろう。
まずこの本の成立過程が面白い。筆者は最初のほうで、自分が教えている学生から右翼とは 何か?、左翼とは何か?というのが聞かれたことがきっかけとなったことを明かしている。 わかるわかる。 というのも、僕も教師には聞かなかったが、それでも大学に入ってから気になってウィキなどで 調べたものである。しかし、そこでも右と左の根本的な違いはわからなかった。 でもわからないのは当然で、そもそも「私右です」と名乗っているやつはいないわけである。誰 かが人やものを右だ左だと分けていき、いつしかその「右翼」「左翼」という言葉が現実に先行 していく、いわゆる“言説”の典型的な例だといえる。 だからして、その言説化が促進された現代においては、「だれそれは右翼か?左翼か?」とい う問題設定は成り立たない。「右翼って何(誰)??」、「左翼って何(誰)??」という、あたかも それらが先天的にあったものとして、自明なものとして前景化してきているのだ。 本書は、そんな右翼、左翼に関する疑問という名の「需要」にどストレートに答えた好著。 内容はといえば、フランス革命前夜の第三部会や議会が、右と左に分かれて座ったという きっかけから、オーソドックスに時代を下り、その対立の変容をたどっていく。 この本を読むとわかるのは、右翼、左翼を知るということは、世界と日本の近、現代史を知るこ とにもなるということなのだ。 内容もさることながら、右にも左にも肩入れしない、どちらをも突き放すような筆者のスタンス もよい。ソ連が崩壊したことで、結果的に右と左という対立の意味が限りなく希薄になってしま った、いわゆるポストモダンの時代が到来したのだが、筆者はそれ以降の右も左も単なるアイデ ンティティと化してしまい、生ぬるいと切り捨てる。 皮肉なことに、今一番激しいのは、右でも左でもない、どちらをも炊きつけようとしているかの ようなこの筆者のスタンスの人なのかもしれない。