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日本の伝統 (知恵の森文庫)

日本の伝統 (知恵の森文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 6


価格 : 660 円





クチコミReview一覧
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口コミ件数:6 1 2 次ページ
1.  とても良い あれあれあさん 書き込み日: 2005年05月27日

痛快!

「今日の芸術」が当時の若き芸術家達に大きな影響を及ぼしたことは、赤瀬川原平の文章で読んで知っていた。この「日本の伝統」は、それまでの縄文土器に対する評価を180度転換させた「縄文土器論」に加え、尾形光琳と、西芳寺(苔寺)庭園をはじめとする中世の日本庭園について、やはり常識を覆すような論を展開している。特に光琳の「燕子花図屏風」に対する「群青の花弁はただ真空の空の中に咲きほこっている」という言葉が印象深い。読んでいて実に気持ちの良い本だった。



2.  とても良い u子・xさん 書き込み日: 2005年06月12日

太陽の塔は、縄文時代の埴輪から生まれたのか?

岡本太郎と言えば、1970年に開催された大阪万博の象徴とでも言うべき太陽の塔の製作者であり、その塔は大阪人にとっては今なおなじみのあるモニュメントである。大阪万博では、アメリカ館及びソ連館に人気が集中した。その当時は、アメリカ対ソ連の宇宙探索競争のまっただ中であり、それぞれ月への有人飛行を成功させ、展示物も「月の石」など月への探索に関連したものであった。その様な人類の大きな飛躍を象徴する国際博覧会を飾るモニュメントの製作者が日本の今日を代表する近代芸術家である岡本太郎であったというのは理に適ったことであった。岡本太郎は当時テレビのコマーシャルにも出演しており、パワフルなパフォーマンスで「芸術は爆発だ!」と叫び、日本中の国民を圧倒していたのである。それが強烈な印象として今でも私の脳裏に焼きついている。パリで芸術を学んだ、モダン・アートの先駆者である岡本太郎と私の中では認識していた。が、書店で、日本の伝統★岡本太郎という本を眼にして、おやっと思った。なぜならば、私のイメージの中では岡本太郎=日本の伝統という公式が理解できなかったからである。しかしながら、実際に本書を読んでみると、彼なりの観点から、縄文式土器、尾形光琳の絵、京都にある寺の持つ中世の庭に関する考察が展開されていた。とても興味深いものであり、大阪生まれで結構奈良、京都の寺社仏閣を探索していた私は、新たな寺社仏閣を見たような気分になった。特に思いもよらなかったのは、縄文時代の土器には激しい表現が見受けられるという見解で、メキシコのピラミッドとの比較では、昨年の夏実際にいくつかのピラミッドを見てきただけに、「なるほど!」と思わずうなってしまったしだいである。その激しさは岡本太郎とも通じるものがあったので、ちょっとほほえましかった。本当に岡本太郎と言う人は人を吃驚させる人なのだ!!



3.  とても良い mioさん 書き込み日: 2008年07月15日

今も生きてる岡本太郎

今読んでも、何度読んでも新鮮な本。

岡本太郎は、「今を生きている」というか、
「今も生きている」と思っちゃう!

感じるままに生きていきたい!!
ニュートラルな自分でありたい!!



4.  とても良い senninyouさん 書き込み日: 2008年09月22日

借景式庭園の魅力とは?

 「今日の芸術」に続く岡本太郎著第二弾「日本の伝統」。本書のほぼ半分が「中世の庭―矛盾の技術」について語られており、大いに興味を持って読み進めることができた。

 一貫して、形式としてではなく創造としての伝統について主張し、縄文土器、光琳の魅力について触れつつ、本題では中世の庭の魅力を語りつくす。

 まずは縄文土器の原始のたくましさ、ゆたかさを「四次元との対話」と称し、光琳芸術の本質を「非常の場」と指摘、それらを高く評価する。そしていよいよ話題は「中世の庭」へ。特に庭に注目する理由を著者は以下のように説明する。

 庭園はそれ自体が造型される空間です。建造物であり、彫刻であり、また音響の遊びもあります。眺めると同時に触れるものであり、静止していると同時にきわめて動的な相貌をもおびる。自然であり、また反自然でもあるのです。さらに、その中にあらゆる芸術を総合して取り入れることができます。絵を置き、彫刻をあしらう。歌い、舞う、可能的な芸術空間です。(引用)

 そして、具体的な事例を挙げつつ、独自の感性に基づき庭論を展開する。中でも特に賞賛の対象になっている例として、銀閣寺の銀沙灘、当麻寺の中の坊、大徳寺の方丈、竜安寺の石庭などが挙げられ、芸術家らしく直観的に分析している。

 芸術は根源的な矛盾を秘めています。その緊張した統合のうえに、強烈な表情をかがやかせるのです。矛盾した要素の対立は芸術の本質であり、根本要素です。(引用)

 さらに議論は借景式庭園の魅力へ。まずは借景式庭園に対する本人の言葉を引用する。

 庭と遠景とのあいだに一つの断絶的な空間をおいた、しかもそれを乗りこえて有機的に対応し、構成されている(引用)

 自然と反自然的要素とを対立のまま結合する技術。虚と実の対比、いわば無を媒介とし、断絶を前提とした高次な緊張。(引用)

 借景式は、身近にある庭と遠景とのあいだが、断絶しているのが条件であり、二つの異質の空間の間におかれた、空の部分が重要であると強調。そして、「空によって媒介された虚と実」にその本質を見ている。

 彼我(借景と石組)が無性格であり、ともにそれだけでは見ごたえがない。だが中景の空の媒介によって、双方が本質的に対決し、渾然と新しい次元に統一されるとき、はじめて驚異的な性格・風貌が打ち出されるのです。(引用)

 最後に、奈良と京都の庭園を比較。第一印象として、奈良を雄大で荘厳、強さ、重さという言葉で肯定的に捉える一方、京都に対してはちんまりとくすんだ形式、趣味的な繊弱さなど否定的なイメージを抱く。とはいうものの、最終的にはむしろ京都文化の方に興味を抱くようになったとのこと。

 異質なものの衝突にこそ芸術の本質を見出そうとする姿勢は、反骨精神の塊である著者らしく、また知識に頼らない分析は、新鮮で非常に興味深いが、常に穏やかであることを否定し、勢いや迫力を追い求めようとするその姿勢はかなり偏っていることを踏まえる必要がある。



5.  良い 大正亭フルスイングさん 書き込み日: 2006年07月22日

今こそ読まれるべき

怒りの書だ。従来の「日本の伝統」についての観念をたたき壊そうと真っ正面から果敢に挑む。
古くて美しいものが無条件に珍重される現状を嘆き、伝統とは現代の自分を作るものでないと意味がないという信念がこの本を書かせている。
そして昭和30年に書かれたというのに色褪せていない。

前半の縄文土器論の鮮やかさに比べ、後半の庭論は少々読み進めにくい。
それは読者が題材となっている庭を容易に想像できないからだろう。
巻末の岡本敏子氏の解説でも「庭論は不発のままの爆弾」と言い当てている。

芸術論としてだけでなく、安易に「日本人論」や「日本人としての誇り」が語られがちな今こそ読み直す価値のある本。



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