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全体の雰囲気を打ち破って部分を深く読むことこそ読解力の基盤 |
読解力が深まらない本当の原因は『わからない』ことよりも、不十分な読みや間違った読みをしているにもかかわらず『わかったつもり』になることである、という本書の主張には大いに賛成である。本書は読解において文脈(スキーマ・背景知識など)がいかに大きな役割を果たすかを強調しながらも、その文脈の誤用・乱用がいかに誤った読みを誘発し、しかも、読者に『なんとなくわかった』という感覚を与えうるかということを明快に説明している。第四章の結論となっている『部分を正確に読めていないから間違った『わかったつもり』が成立する』という主張はまさに正鵠を射たものであって、読解教育論において近年背景知識やスキーマの重要性がやたらと強調されているにもかかわらず、実は部分部分の不十分な、あるいは誤った理解こそ、読解教育が学習者に克服させるべき問題なのだということを改めて認識させてくれる。本書は我々の母語である日本語の読解を対象としたものであるが、その内容は英語の読解教育にも当然応用可能なものである。また、本書で説明されているような構造的な読みを習得することで、文章を書く技術も同時に向上することは疑いがないだろう。 |
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