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建築と鉄道から見た満州の現代史−−戦後生まれの建築家によるイデオロギー抜きの満州 |
目から鱗(うろこ)が落ちる本である。−−この本は、1960年生まれの建築家である西澤泰彦(にしざわやすひこ)氏が、旧満州の都市を建築と鉄道から語った、満州現代史の本である。著者のそうしたバックグラウンドを反映して、イデオロギー的叙述は殆ど無い。その代はりに、ハルビンのアールヌーヴォー建築を論じながら、ロシアにとって、ハルビン建設とはいかなる国家事業であったのかを論じたり、大連の病院建築から、日本の満州経営がいかなる物であったかに話を進めると言った様に、技術者の視点から、満州の歴史を回顧して居る。−−文章は面白く、写真も豊富である。
この本に掲載された多くのカラー写真から、同じく戦後生まれである私が痛感する事は、私達戦後生まれの日本人が、いかに、満州を知らないか、と言ふ事である。近現代史に関する話は、とかくイデオロギー的な物に成り勝ちである。満州も例外ではないが、そう言ふ話をする前に、とにかく、満州とは、どんな所だったのか?を知るべきではないだろうか?その一歩として、満州に残されたロシアと日本の遺産を、とにかく目で見て、客観的に知る為の本として、本書を心から推薦する。
(西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に) |
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