とても良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 1,680 円
今まで読んだ特攻関係の本では、最高の部類。特に、写真が豊富で、そのひとつひとつを見ていくと、胸が締め付けられる思いです。アメリカは特攻を自殺攻撃と言ったみたいだけど、世をはかなんで、生きることから逃げた自殺と、特攻を一緒にしてはいけないというメッセージが端々から伝わってきた。命を懸けてまでして、彼らが守ろうとした国・日本。特攻隊員の皆さん、ごめんなさい、こんな国になってしまいました。 初めての特攻作戦を天皇陛下に報告した際、「遺憾ではあるがよくやった」と天皇はおっしゃったという。「そこまで戦局がきたのか、速やかにアメリカと和平の道を探れ」という言葉を期待していたという上層部。特攻は、天皇から「和平」の言質をとるために考え出された作戦だった。この事実、私は読んでいて、泣けてきた。勝利のためにではなく、和平、言葉をかえると、名誉ある敗戦のために、彼らは突っ込んだんだよね。誰も、戦争をやめようと言い出せなかったところに、あの戦争の悲劇、日本の悲劇、特効の悲劇があったのではないかと思う。 誰も責任をとらずに、天皇陛下の言葉によって戦争を終わらせようとして戦後も生き延びた軍部の上層部に改めて怒りを禁じえない。
なんとも重い。悲しい。酷い。
間違いなく私たちの国がたどって来た道。あった事実。
彼らが守ろうとした国に今生きている私。
せめて一人でも多くの、この国に生きる若者たちに、手にとって欲しい一冊。
太平洋戦争に関する作品は、これまでいろいろ見てきました。切なくなる物、怒りを感じる物…様々な作品に出会いました。見終わった後、私は必ず毎回「もっと知りたい、知らなければいけない」と思います。「太平洋戦争」は架空の物語ではない、ドラマや映画の中の話ではない、今を生きる私たちの少し上の世代の方々が実際に経験された「実話」なのです。二度と同じ事を繰り返さないためにも、風化させず、事実を知り、また次の世代に伝えていかなければならない。話を聞いたり堅苦しい文字を読むのが苦手な人でも、写真を見る事はできるはず。この本は、写真がとても充実しています。当時の若い人たちの、国や親や友を想う気持ち、自分の夢や未来を「戦争」に奪われ、自分の命の期限を受け入れなければならない切なさに、胸が詰まります。もし自分がそんな状況に立たされたら、同じようにできるだろうかと考えさせられます。いくら時代が戦争一色だったとはいえ、出撃が決まり当日を迎えるまでの彼らの胸中は想像を絶すると思います。もう一度親に会いたい、故郷の景色が見たい、あの本が読みたい…平和な時代なら何でもない事が、彼らにはとてつもなく有り難い事だったと思います。苦しみ悩み「生きたい」と思う気持ちと、だけど国のため家族のため「死にに行く」という現実、わすが二十年前後しか生きてない若者の、壮絶な想いが伝わってきて、見終わった後にとても深く残ります。
感情的になりがちな「特攻」という題材ですが、誰かを糾弾するという感じではなく、けっこう淡々と書かれています。航空機特攻だけでなく震洋、回転、桜花、海竜など各種特攻についても一通りわかるようになっています。特筆したいのは、特攻による戦果を米側資料と日本側資料を対比しつつ一艦一艦明らかにしていることで、これは今まで出版されたものからの孫引きながら、資料的にも有用だと思います。ただ、著者の要らぬ親切というか、この分野に興味のある人なら当然わかっているような用語や、どうでもいい隊名の由来までもが噛んで含めるように丁寧に説明されるのはちょっと五月蠅く感じました。
ところで特攻の発案者として知られる大西滝次郎中将ですが、正確には彼が発案者というわけではないんですね。そして、大西中将の真意が、日本はここまで追いつめられている、講和しかない、ということを昭和天皇に伝え、講和の決意を促すことにあった、という証言は初めて知りました。しかし天皇は特攻の報告を受け、「よくやった」と述べられた。この一言で特攻は続行されることになったという。まあ、仮に天皇がもう戦争をやめようと言ったところで軍部が黙って従ったかどうか疑問もありますが。