とても良い / 口コミ件数 : 3件
価格 : 1,155 円
近代のメディスンマン。無理やり学校に通わされたり、色々な職業について稼いだりして貨幣社会を存分に体験し、時代の流れの中で生きていくために持つ二面性を冷静に見つめているいるところが、より共感を感じさせてくれます。常にユーモアがあって、率直。青春小説としても心を打たれました。
インディアンの精神や智慧の世界を、詩や散文的な本の中から得る事はとても沢山ありますが、この本では、それ等で得る感覚的印象が、より精神の神髄にしみとおってゆく感じがしました。口述をしているレイム・ディアーの、メディスンマンとしての旅を何となく一緒にしているうちに、同じ場所へ辿り着いていた感じです。口述を文章編纂しているア−ドス氏も、レイム・ディアーの語りと感覚に対して独善的な判断がなく、とても忠実だと感じました。上下巻で、所によっては進みが遅くなる事もありましたが、全体では一気に読んでしまいました。レイム・ディアーが、あたかもすぐ側で語っているかのようです。
他の多くのネイティブインディアンものと同様、これも口述。レイム・ディアーが自分の生涯、インディアンの伝統、共同体のあり方など、余すところなく語ってくれます。この情報量はすごい。
しかし下巻はよほど彼らの儀式や生活様式に対して学問的な興味がないとつらい部分もあるかもしれません。上巻は大半がレイム・ディアーの個人史で、こっちは笑いもあり、奇想天外で非常に面白いです。