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まるで、雪の朝、窓を開けたときにとびこんでくる空気のように |
はずかしいことに、この本を読むまで、短歌って、もう、だれもやっていない文学だと思っていた。 たしかに、高校の教科書には、昔の歌人の歌が載っていた。 でも、まさか、この現代でも、現代のことばを使って、現代の感覚を短歌で詠っている人がいるなんて、思いもしなかった。 それに、短歌をするために、安定した教師という職を辞めてしまうなんて。 そんなことって、ほんとうに、あるんだ、と思った。 信じられないが、ほんとうだ、ということはあったのである。 ぱらっと、ページを開けると、そこは、あたり一面、才能のきらめきの世界だった。 まるで、雪の朝、窓を開けた瞬間のように、それは、新鮮な空気を、ぼくに送ってくれた。才能のきらめきが発する光に、目がまぶしかった。頭も、くらくらした。 ぼくは、まねして、いくつか、歌ってみた。 読むのと、つくるのとは、大きく違うということに気づいた。 自分に手の届かない世界が、また、ひとつ見つかって、ぼくは、悲しくなった。 努力では補えない、短歌のむずかしさを知らなかった、自分が、今でもはずかしい。 |
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