とても良い / 口コミ件数 : 9件
価格 : 1,050 円
この作品は、かのエドワード・ゴーリー氏が、イギリスで実際に起きた子供殺しの夫婦の殺人事件を、基に絵本化したものです。 ゴーリーのインタビュー集「どんどん変に・・・」にもでてきますが、この作品は、ゴーリー自身がたった一つ、絶対に書かなければならなかった本、と言っています。 ゴーリーは彼自身のどんなに残酷な作品も、本当に怖いものとは呼びたくないと言っていて、本当にホラー並の絵本を書くことは、この作品を除いてはなかったと、言っています。 つまり彼にとって「The Loathsome Couple」は、特別な作品であったということですね。 細かい場面(足首の太いところや、朝食の場面や、鼠を投げられる場面)が、とてもよく出来ていたと思います。 意見は人によってぱったり分かれそうですが、まず読んでみてください。
おぞましい二人について書かれた絵本だ。 それぞれ不幸を背負って生きてきた男女が結婚し、殺人を犯す。どこにも救いのない話だし、読者の共感を呼ぶとも思えない(同情をする人はいるかもしれないが)。しかし、読書という経験が、自分と向き合うことであるなら、これほど自分の心の深淵を覗かせてくれる本は他には殆どない。しかも小説なら何百・何千ページをかけてそれを達成するところを、これだけの薄いページでやってのけるのだから素晴らしい。 ゴーリーは、ゴスな雰囲気ものとして受け入れられている感もあるが、決してそんな表面的な作家ではない。
作品の内容はタイトルの通りおぞましいものでした。でもそれだけでなく、そのおぞましさの中にある悲しみとかどうすることもできない、いやできなかった二人の一生見せつけられた感じがします。特に、彼女が壁のシミを舐めているシーンはぞっとしました。 ゴーリーの作品は、簡潔な文章で表現している点もいいが、絵の表現力は本当にすごいと思います。あの絵には、全てが詰まっているのでそれだけで事足りてしまう、だからあの文章でいいんだと感じました。
久々に衝撃を受けた。なんの救いもない結末に・・・柘植義春の「無能の人」のような線描の絵、登場人物の頬のこけ方・・薄ら笑い・それが絵本で表現されるなんて・・・かつてない衝撃、頭の中混乱しちゃいました。この本の味わいどころはそこだ。柘植義春が挿絵を書いた フランツ・カフカ・文の絵本・・・・ありえない、ありえないそんなの。そのタッグは斬新すぎる。ああーでもいいなあ、久々にはまっちゃいそうだなあ。まだまだいっぱいあるから、これからしばらく浸ろう。
ゴーリーさんは薄ら寒いメニューを何度も考えたそうです。 この話には、その薄ら寒さが全体に漂っています。そして、救われない話。 殺人の部分に目が行きがちですが、これはほかの事も言っていると思います。 2人の寂しい人生と、その過程の話。殺人はそこの過程でしかない。 絵本ですのでとても薄いのですが、その中にとても深いメッセージがこめられている、と思ってしまうのです。 私は経験が足りないのか、その中身はまだ分かりません。 とても魅力のある絵本ですが、子供に見せる本ではありませんね。 大人の絵本、子供には重すぎます。