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90年代のアメリカ経済にまつわる神話を糾し、誤れる経済政策の弊害を説く |
90年代のアメリカは史上稀に見る経済成長を達成し、その要因を巡って様々な神話が存在する。赤字財政の削減の成功による成長率の高まり、グリーンスパンの神業的な金融政策の手腕、ストック・オプションの導入によるインセンティブの刺激。だがこれらは誤れる「神話」に基づいていると喝破。 「赤字財政」の神話とは、クリントンが「財政赤字」の削減に腐心し、成功した。莫大な財政赤字を抱えた国が経済停滞から脱出するには赤字財政の政策が欠かせない、という訳である。だが実際には「削減の成功は1990年代固有の理由によるものだった」。 次に金融政策である。アラン・グリーンスパンの「根拠なき熱狂」は当時の株バブルに冷水を与える効果を持ったーはずだったが、結局彼は何も手立てを打たなかった。彼ーそして周囲もーは自分の「影響力」を過大評価していた。言葉を発するだけで金融政策を司れるーという神話である。 本文のなかで一番辛辣な調子で論じられているのは「カリフォルニアのエネルギーの規制緩和」「銀行規制の緩和によるバブル沸騰」「粉飾決算による会計操作」を扱ったくだりである。(第4章から第7章) 本書は前著と比較するとときおり熱い調子が垣間見れるし、著者も認めるとおり「経済学の範囲を超えて」論じられているテーマもある。しかし一貫しているのは「経済学への誤った理解が生み出す弊害」である過度の規制緩和が進んだのは市場メカニズムへの過度の信頼である。会計の不正操作が起きたのはエンロンや銀行などの情報を持てる者が、情報を持たざる者を騙そうとすることから起きる。 こうした不均衡を是正するために、「イデオロギーに基づく政策ではなく、市場と政府の役割をバランスを重視する政策が経済成長と効率を促進する」ので、「政府と市場とのバランスの取れた役割を基盤とする新たなビジョン」を実現するために戦わねばならないと強調する。 |
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