とても良い / 口コミ件数 : 18件
価格 : 660 円
手にとった時はちょっと分厚くて、歴史の本みたいなもんだし、読みきれるかなぁ?と思ったのですが、読みはじめてみると文体も堅苦しくなく宗教色も薄かったので抵抗なく読めました。これだけ崇められて育った人が奢ることなく普通に育ったのは奇跡ではないでしょうか。
現ダライ・ラマがどのように13世の生まれ変わりと認定されたかに始まり、ラサのポタラでのある意味閉ざされた豪勢な生活、中国の侵略、そしてインドへの亡命が、わかりやすく、かつ恨みつらみを綴ることなく書かれています。これほど厳しい人生を送りながらその原因となった人たち全てに対してポジティブなことを言えるそのオプティミズムと心の広さに驚きます。イラクやチェチェンが注目を集める中静かに弾圧を受けてきたチベッ!ト。もっと多くの人たちに知って欲しいです。
ダライラマ来日の報を聞き、手にとって見ました。なんとなくえらい人らいしい、くらいの意識しかありませんでしたが、ダライラマの生い立ちと神秘的な化身の認定に始まり、宮殿での生活から、中共政府の侵略によってチベットが悲惨な運命をたどり、過酷な中で非暴力、慈悲の精神でチベットの回復に奔走する現在に至るまで、泣きながら一気に読み進んでしまいました。現実の苦境の中でも、人間的葛藤の中でも、ひたすら体現される平和への実践が宗教や国境を超えた精神的指導者と言われる所以なのでしょう。このような人物を輩出する、チベット仏教に代表されるようなチベットの文化の深遠さにも引き込まれます。自分の悩みなんてたいしたもんでもないか…と思えるドラマチック・ノンフィクションです。
ダライ・ラマの生い立ちからインド亡命生活までの波乱の半生を綴った自伝です。 氏の宗教的&政治的指導者の能力、世を達観した人生観に圧倒させられます。 それにしても中国が如何にチベットを侵略していったかが分かります。情報鎖国 の背後で、入植した漢民族(国家警察)が支配層として君臨することでチベット人 を抑圧し、チベット文化を破壊しました。中共という国家の本質が表れています。 「中国はいかにチベットを侵略したか」(マイケル・ダナム著)もお勧めします。
チベットとは?ダライラマとは?というところから入る方も、ある程度ご存知の方も、まずはこの本からお勧めします。チベットという国が、今や中国国内の地図に入っている経緯、ダライラマ14世が行なってきた中国との対話、そして今亡命政府としてインドに入り今のダラムサラに入るまでの経緯がよくわかります。私は昔、映画で転生制度に驚きましたが、どのようにダライラマが選ばれてくるのかということも、本の中でふれられています。13世が遺書の中で「自国を守らなければ、チベットは・・・宗教的指導者は国から姿を消し僧も僧院も絶滅されるだろう・・・」 と警告を残したという部分が印象に残りました。本当に今や寺院も180のうち3つしか残らず、中国により観光化され80%が中国人で教育も中国語によるものになっています。 しかし現在非暴力のままのチベットを、日本と対比させ、ダライラマ14世の人柄を本の中で感じて日本の政治家と対比させ・・・・どちらがいいのか、私たちは何か出来ないのか?・・・・・一気に読んだ後、世の中の視点が変わった本でした。
歴史・領土問題で今までは黙って過ごしてきた日本だが、ここ最近ようやく言いたいことが言えるようになってきたと思う。しかし、言いたいことをただ言うだけでなく、当然、相手のことを知る必要もある。 日本の近隣諸国は反日教育を高め、いつも日本を目の敵にしている。首相の靖国神社参拝に文句を言う内政干渉や、日本ですら一般に出回っていない検定中の教科書に文句を言ってきたりとさまざまだ。 こと中国に関しては、あそこは情報の操り方が上手いんですよ、きっと。上手いと言うか強引?この本を読むとそれが良く分かります。中国はチベット侵攻に関して一方的に情報を発信して、しかもそれに従わせて実効支配しています。チベットからダライ・ラマの話など聞こうともしません。もし誠実に利く気があるのだったらダライ・ラマもとっくにチベットに戻っているだろう。しかし、いまだ亡命中であることからチベットに帰ることが出来ないのは確かだ。 中国は日本が中国にしてきた残虐行為を盛んに中国国民に知らせるが、中国がチベット国民にした残虐行為などは何も教えていないことだろう。これは多額の資金をODAにより日本から得ているにもかかわらず、それを国民に全く知らせていなかった中国を見ればわかりやすいだろう。 この本を読んで、中国の言葉の暴力に対する武器を備えるわけではないが、中国にも、もっと自国を見つめなおす機会を与える意味ではこの本は最高かもしれない。