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収容所(ラーゲリ)から来た遺書 文春文庫

収容所(ラーゲリ)から来た遺書  文春文庫

とても良い / 口コミ件数 : 8


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口コミ件数:8 1 2 次ページ
1.  とても良い 丁三さん 書き込み日: 2006年11月04日

シベリア抑留の日々

昭和の戦争の実相を知りたくて
いろいろ漁っているうちに出会った一冊である。

昭和20年8月15日、ポツダム宣言を受諾したのち、
満洲にいた日本人がソ連に連行された。
その数なんと60万人。
極寒の地で12年もの間強制労働をさせられた。
いわゆる「シベリア抑留」である。

本書は無名の抑留者である山本幡男氏を主人公にして
シベリアでの過酷な生活を淡々と綴っていく。
いつ日本に帰れるともわからない日々のなかで、
勉強会を開いたり、句会を開いたりしながら、
決して日本に帰る希望を捨てず、常に前向きに
日々を精一杯生きていこうとする主人公と仲間たち。
その姿に強く胸を打たれる。

東京裁判やA級戦犯の論議が戦後の「表」なら
これは戦後の「裏側」である。
ここにも確かに戦争の実相があった。

日本人なら一度は読んでおきたい。
名著である。



2.  とても良い ハインズさん 書き込み日: 2004年01月09日

ノンフィクションの仕事

戦後シベリアに抑留されたある日本人を中心に、収容所のありさまを、丹念なインタビューによって再構築した力作ノンフィクション。いつ日本に帰れるとも知れぬシベリアの収容所で、飄々と、しかし不屈の精神を持って生きた日本人がいた。

主人公は遺書を残してシベリアで死ぬが、収容所からメモ、手紙などを持ち出すことは許されていない。それでも仲間たちが遺書を彼の遺された家族に届けようようと考え、実行していくシーンには胸を打たれた。

世に知られた人物の知られざる内面を描いた作品もノンフィクションの魅力だが、本書のようにまったくの無名人にスポットを当てることも、ノンフィクションの大きな仕事であろう。



3.  とても良い 江口哲学さん 書き込み日: 2005年07月24日

ノンフィクションの秀作

ハバロフスクの強制収容所で昭和28年8月25日に息を引き取った山本幡夫氏と、彼の遺書を昭和32年になって何とか家族の元へ届けた抑留者たちの物語である。丹念な取材を多くの人に行った結果だと思うが、山本氏の作った俳句や細々としたエピソードなども数多く収録されている。そのため、山本幡夫と言う人物のイメージが明瞭になると同時に、収容所の生活も鮮明になってくる。これこそが、まさにノンフィクション作家の仕事と言うものだろう。事実を淡々と時間軸に添って描写するだけでも、大きな感動を呼べるのである。



4.  とても良い yukkiebeerさん 書き込み日: 2003年02月10日

泣かされました

 極限のシベリアに囚われの身となった男たちが、ある仲間の遺書を自らの脳に刻み込んで日本へ持ち帰ろうとする。そのすさまじい執念と熱い友情に、読み進むうちに目頭があつくなった。

 心にずしりとくる本だ。



5.  とても良い shieさん 書き込み日: 2004年01月13日

辺見じゅんの傑作

辺見じゅんがこんなにも素晴らしい作家だということをこの本を読んではじめて発見しました。
声高に戦争の罪などを問うわけでもなく、ただ真摯に生きる人間の姿を淡々と描き出しているにもかかわらず、読み進むにつれ、怒涛の感動が心に押し寄せてきます。想像を絶する苦しみの中でも、人間はこんなにも誇りを持てるのだ、と。

生きるのが苦しいと思ったことのある人、10代20代の若い人たちにこそ読んで欲しい一作です。



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