とても良い / 口コミ件数 : 3件
価格 : 530 円
この著者の本はすでに何冊も読みあさり、がん体験者として、緻密な調査にも関わらず、やはり、外から見た医学、患者像に少なからず落胆をしていた。しかし、この事実には衝撃を受けた。こうした不幸がいつでも、誰にもある現実の厳しさに驚く。
それにしても、この苦しい自らの体験を生涯最高の筆致で書いたのが、
この本ではないだろうか。彼の客観性といい、文章の切れといい、これは本著者の最高傑作だと思う。
対談集あり、インタビューあり、「サクリファイス」発表のその後がさまざまな観点から 語られる、内容の濃い一冊。河合隼雄の「人間一人の人生は、その長短にかかわらず 壮絶だ」という言葉は、真理に近いものを感じる。 読者からの手紙も胸を打つ。10年間息子の死を病死だと偽り続けた母、罪悪感に悩み続ける 家族たち。それは世間の自殺への偏見と無知から来ているのだろうが、あまりにもむごい。 むしろ日本は死に対してあまりにも粗雑だ。 いい本である。自死遺族やその周辺の方に読んでいただきたい。自死について実践的に考える 初端とないい本です。
「犠牲」は心の病にかかった息子の自殺についてかかれたものでしたが、今回は読者からの反響や柳田さん自身の再生の記録が中心になっています。 同様に心の病を持つ人や家族の人の中に、「私のところもそうなのです」ということを聞いてほしい人がこれだけいたということに胸が痛くなります。 手紙をおくってこられた方の中の「ガンの手記は書けますが、心の病気を書くには勇気がいりすぎます」という言葉に凝縮されていると思います。