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三陸海岸大津波 (文春文庫)

三陸海岸大津波 (文春文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 6


価格 : 460 円





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1.  とても良い 論愚さん 書き込み日: 2005年09月21日

津波被害のミニマム化を図るための「虎の巻」

本書は当初中公新書の一冊として一九七〇年に『海の壁−三陸海岸大津波』というタイトルのもとで刊行された。その後改題され『三陸海岸大津波』として中公文庫の一冊として一九八四年に文庫本化された。更に、二度目の文庫本化として二〇〇四年三月に文春文庫として刊行された。そして、その後まもなく起きたスマトラ沖地震と津波・・・。
 タイトルが示すように、本書は東北地方の東海岸、青森県・岩手・宮城三県にわたり続く三陸海岸を襲った津波に関する詳細なルポタージュである。
 明治以降、三陸海岸は三度の大津波に襲われた。
一、一八九六年(明治二十九年)六月十五日  死者二六三六〇人
二、一九三三年(昭和八年)三月三日  死者二九九五名
三、一九六〇年(昭和三十五年)五月二十一日  死者一〇五名
 著者は三陸地方が気に入り何度か旅した。いつの頃からか、かつてこの地を襲った津波について深い関心を持ち、文献を集め、体験者から話を聞き本書を練り上げた。自然災害と人間との壮絶な戦い。本書は、「どうすれば人間が勝てるか」という難問に対して”解”を提供している。スマトラ沖地震発生後暫くして、都心の新刊書店から本書の在庫が消えた。そんなインパクトのある一冊である。俗な表現であるが、本書は、津波被害のミニマム化を図るための「虎の巻」であるといえよう。



2.  とても良い くにたち蟄居日記さん 書き込み日: 2005年05月06日

スマトラ沖津波を踏まえて

 これを読んだのは2005年5月である。

 30万人の死者を出した2004年12月のスマトラ沖地震による大津波の実態、特に各種の映像を見た後であるので この本に出てくる津波の恐ろしさがよく分かるというのは ある種の皮肉かもしれない。インド洋に面した多くの国で津波という言葉すら無かったという事実は悲劇以外のなにものでもないが もし彼らが 東洋の片隅で書かれた本書を読んでいたらと思わざるを得ない。

 被害で家族を失った児童の作文の紹介が本書に続いている。幼いながらも 彼らの悲痛な叫びと津波の恐ろしさが伝わってきている。この作文が本書ではなく 他で目にしたら 間違いなく今回のスマトラ沖大津波の記事だと思うに違いない。

 それほど 「同じ」だということである。

 今読まれるべき時期を得た ドキュメンタリー文学の 傑作である。



3.  とても良い ホレイシアさん 書き込み日: 2008年07月04日

現在の行政にも、生きてます。

 昨年、友人と三陸を旅した。本来の目的は「宮古湾新選組ツアー」だったのだが、宿を「グリーンピア田老」にとった。
 田老駅から宿までの間、「津波時避難路」という大きな看板と矢印が目につき、海岸沿いでもないのに堤防があったりする。ふっと大昔に読んですっかり忘れていた、この作品の題名が頭に浮かんだ。あれってここが舞台なのか。地元のタクシーの運転手さんは、元来無口なのか謙虚なのか、尋ねても「はい」とか「ええ」とかいう返事しか返ってこなかったけれど。
 実際に有効なのかどうかはともかく、堤防や避難路看板など、昔の出来事の記憶が今の行政にも確実に受け継がれているのを見るのは、失礼を承知で言えば、とても興味深かった。日程がゆったりしていたら役場で話を聞きたかった。
 これを読んだ後に三陸を訪れる方、通り過ぎるだけでも実感できて、いいですよ。
 



4.  とても良い スーパー情熱営業マン☆コメットさん 書き込み日: 2008年12月07日

大津波の教訓

津波の破壊力と自然の恐ろしさを本書は簡潔に示している。
読んでから5年以上経つが、
地震発生直後からの津波に対しての警戒心は今なお持続している。
普段見えない海の底の岩が引き潮により見えた時は注意すること、
また山などの高台への避難の重要性は得難い教訓だ。



5.  良い ウィリアムツンダオさん 書き込み日: 2006年12月02日

古老の教え

古来、村の古老の教えに間違いは無いと言われてきた。長年の経験に基づく智恵は頼りになると信じられてきた。

しかし、この本を読むとそれが偽りであることがわかる。「津波は冬の晴れた日は来ない」との古老の言葉を信じて死んでいった数万人の人々、その他諸々の言い伝えに騙されて死んでいった無数の人々の叫びがこの本には凝縮している。

著者の主観を排した冷静な視点から書かれたこのドキュメンタリーは読者のこれからの人生の導きともなるかもしれない。自分のカンを信じて他人の雑音を排して突き進もう。



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