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坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 11


価格 : 670 円





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口コミ件数:11 1 2 3 次ページ
1.  とても良い 熱血バンカーさん 書き込み日: 2005年08月17日

将のあり方

本シリーズの主役ともいえる日露戦争の開戦前後がこの第3巻。

本シリーズを通して、痛いまでにまっすぐ、国家の為に身をささげる人々の思いをびんびん感じてきたが、中でも特に印象に残った場面があった。

日露戦争における海軍を作り上げた山本権兵衛がかつて海軍大臣を務めていたとき、日露戦争での主役となる旗艦“三笠”を英国に発注。しかしながら、資金繰り逼迫で万策つき、どうにも前払い金が払えない。時の内務大臣西郷従道は、事情を聞き終えると
『それは山本さん、買わねばいけません。だから、予算を流用するのです。むろん違憲です。議会で追及されて許してくれなんだら、二人で腹を切りましょう。二人が死んで主力艦ができればそれで結構』

本当に胸が熱くなりました。この時代にはこんな人材が少なからずそこら中にいた、、、というより、武士の魂を色濃く残す当時代の常識的な生き方なのですね。

覚悟が違います。本気度が違います。自分と比べて余りの違いに愕然としました。

本シリーズを通して上記のような精神に随所で出会うことができます。



2.  とても良い 純ちゃんさん 書き込み日: 2001年12月31日

日露開戦す

本巻には、子規が死に、日露戦争が始まるまでを収めてある。
ところで、わたしは先年ウラジオストックを訪れたとき、本書を持参した。本巻の中ほどに、ちょうど秋山好古が戦前にウラジオを訪問する場面がある。ウラジオは山が迫る港町で、おそらく好古が見たと同じ景色を見ることができた。山腹には対空砲台がみえた。酒席の気持ちよさも本の通りだった。

開戦直後、仁川で沈んだワリヤーグ乗員の墓標も見たし、マカロフ提督の銅像とも対面した。見るものすべてが、妙に本の内容と重なって見え、おもわぬ旅行ガイドになった。
本巻を通じて感じるのは、当時の日本人の真剣さであるが、ロシア側からその裏付けを見たように感じた。



3.  とても良い kaz0775さん 書き込み日: 2005年02月04日

遅々として進展のない愚鈍さの裏にあった脅威の事実

日露戦争は遅々として進展のない戦争として表層には見えるが、司馬さんの記述でお互いに巨大なエネルギーの押し合いを感じた。日本は軍費もなく、国債を外国に買ってもらって、軍艦を買い、砲弾を作り、兵力では圧倒的に劣っている中、砲弾戦では不利でも、衝突の肉弾戦では極めて果敢な気迫で戦った。

戦局は大まかに要約すると次のようになる。

旅順という港の要塞の東郷の海軍が攻めるが、互角の戦いでロシア軍艦を港に封じ込めるのが精一杯であった。一方、陸軍は朝鮮半島の仁川から北のロシアの要塞を1つづつじりじりと陥落させて、清の前身である金の首都だった奉天まで進む。ロシア軍は後退する中、本国から膨大な師団の援軍を待っている、そしてナポレオンをも撃退した冬将軍の到来も味方として期待している。日本陸軍は小さな輪をあたかも大戦力で巨大なロシア軍を取り囲むような作戦の展開を進める。ある意味、日本は兵力よりも敵将クロパトキンの心理と戦っていた感すらある。その作戦の中でロシアのコサック騎馬隊との互角の戦は不利と考えた秋山好古は騎兵と歩兵による変則的な騎兵隊で活躍する。

一方、遅々として陥落できない旅順に陸軍は乃木に陸側からの攻撃をさせるが戦後、英雄の伝説になっていた乃木とその参謀の伊知地は、実は才にはたけていなかった。有名な二百三高地を落とすために大勢の日本兵が無駄死にの状態であった。そこへ登場するのは陸軍大臣も辞して司令本部の現場におりた児玉源太郎である。旧友の乃木を助けるべく、乃木軍の攻撃の危険のある前線まで赴き、山を動かすが如き、巨大な砲台を山の上に移動させる。現場では砲学の専門の参謀が不可能と進言する中、児玉の直感で見事にそれを実現させ、ついに二百三高地に砲台を移動に成功させる。そうなると、もう旅順港は眼下にある。運び上げた砲台をもってしてロシア艦隊を殲滅させる。



4.  とても良い おがよし@CSSさん 書き込み日: 2007年01月07日

昭和日本軍の原点をみた

いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。
前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。
中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。
例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向けたシナリオ(短期決戦での勝利で列強諸国に仲介してもらうこと)を共有化していたことは、昭和の戦争とは対照的で興味深いです。
一方、兵士個々人の闘争心や忠誠心に頼る白兵戦中心の戦闘、補給に対する意識不足など日本軍の特徴がすでにみられ、日露戦争の反省があれば昭和の戦争はもう少し違ったものになったのではないでしょうか。



5.  とても良い いじさまさん 書き込み日: 2007年01月03日

まさに戦争だ!

子規は逝去。文学の周辺に関しては、この巻で終わってしまうようだ。
とうとう、日露戦争が開始され、秋山兄弟の活躍が始まる。
山本権兵衛、東郷平八郎が登場。
日露戦争の緒戦までが、本巻の内容。
ロシア側の人物に関しては、ウィッテの記述がいまひとつ定まらない感じがして、落ち着きがない。
日露戦争も佳境に差し掛かる、どう物語は進むのか?



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