とても良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 840 円
以前読んだ「民族の世界地図」の出版が6年前、その後に9.11、更に複雑になった世界の民族問題、そしてここに出てきた「新・民族の世界地図」には満足している。まず世界中を網羅しており、その内容の密度、情報の豊富さ、新書であっても読み応えは最上級と思う。21世紀研究会編としては、地名、人名、常識、色彩、食のそれぞれ世界地図が出版されているが、いずれも十分な量と内容と思う。しかし私は本書「新・民族」が最も気に入っている。民族問題は宗教問題と同じく地域政治、国際政治的に常に世界の不安定要素として存在する以上、知識の整理や、ビジネス上、教養的にも本書のような手引書は有難い。日本人は世界の民族問題をもっと理解すべきであり、特に海外渡航にはガイドブックのみ持って行くのではく、本書のような書も必携ではないかと思う。また何年か後に「新々・民族」を出して欲しい。
非常に面白い。民族という集団が形成されてきた経緯(=歴史)からその結果生じている問題(=紛争)まで、要領よくまとめてあり理解しやすい。新聞の国際面を見る際に非常に役に立つ。 加えて「トナカイ」という名詞がアイヌ語由来であるという事実や、イヌイットという名がエスキモーよりも差別的に受け取られる場合がある、など雑学的話題も満載である。
言語、民族、宗教が入り混じって今日の社会が微妙なバランスの上に作り上げられ、または衝突や戦争を生んでいるということが痛感しました。またまったく知らない国や島、民族の話も書いてあり、新しい興味をそそられます。本書読後は毎日の新聞やTVの世界における紛争や緊迫についての報道は表層的であり、なんとなく理解していると思っていること事態きわめて危険だと思えてきます。
世界の民族分布から、その対立・紛争、差別・偏見…等々。 世界中で今起きている事を民族という視点でまとめており、分かりやすく充実している。 ・チベット仏教の話。 ・アボリジニの話。 ・アフリカの民族紛争。 ・中東・アラブの宗教対立。 個人的には、民族の問題を語る上での、言語とその記録の重要性が印象深かった。 過去に我々の知らない言語が存在していたとしても、記録がなれば、その文化ごと存在しなかったことになってしまうあたりとか。 あと、民族の起源、派生についても興味深い。 冷静にみれば、英語もフランス語もイタリア語もドイツ語もラテン語の方言で、最初は、東北弁と関西弁程度の違いだったはず。 それが、“関西人はこうやで!”的なナショナリズムがだんだん強くなっていくとボーダーが高くなり、理解しあえなくなる。 もちろん、地理的要素や宗教的要素は関係してくるけど、現在世界で起きている諍(いさか)いの起源は、結構そんな身近なロジックのような気がした。