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価格 : 693 円
武田先生の原点というべき本です。今、読み返してみると 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」及び「その2」よりも リサイクル問題については、遙かに丁寧に論じられていることに気がつきます。 リサイクルの矛盾については 使えば劣化する矛盾 「下位の用途」がない矛盾 国際分業を否定する矛盾 「月給」でなく「遺産」を使う矛盾 資源をかえって浪費する矛盾 正反対の価値観が両立する矛盾 毒物が混入する矛盾 等、7つに分け説明しています。すべてが完全に正しいというよりは、全体として リサイクルには大いに疑問あり。という姿勢は充分納得でます。 私は基本的に、武田先生の細かいミスをあげつらうのではなく、疑問について学識者の方々 メデイアの方々等に良く研究して頂き、議論を深めて欲しい。という立場から支持しています。
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」で有名になった著者の前作(H12)である。 循環型社会を実現していくためにはリサイクルが必須である。現在、リサイクル技術の開発や、リサイクルシステムの構築が試みられている。しかしながら、本書は「現在考えられているようなリサイクルシステムを有する将来社会というものが成立するのか」という本質的で根本的な問いかけに答えようとする本である。 一般的な感覚として、現在のリサイクル技術やリサイクルシステムではリサイクルは経済的に成立しない。しかし、リサイクル技術が開発されたり、リサイクルのシステムが一旦構築されれば、循環型社会は実現される、という期待を持っていると思う。 しかしながら、本書では、工学(有益な物質:資源の濃縮に用いられる分離工学)という客観的な手法を用いることで、リサイクルが本当に環境や資源問題に対する有効な手立てとなるのか?という問いに取り組んでいる。 分離工学による検討では、リサイクル技術やシステムは確立されているという理想的な状態を仮定した時でさえ、現在目指しているリサイクルシステム(資源ごみの中に希薄な濃度で含有されている有用資源を分離濃縮して取り出すこと)は成立しない。 一方で、著者は、4つの解決案を提示している。それぞれ、今までとは異なる発想や概念が含まれているため、直ぐには受入れ難い部分があるが、その中の一つの「人工鉱山」が一番実現性があろう。これは、まず、廃棄物を燃焼して有機物からエネルギーを取り出し、残った灰を埋め立てて人工鉱山にするものである。そして、金属資源が枯渇し始めたら、備蓄した人工鉱山から有用な金属資源を採掘する、というものである。 現在、PCや携帯の廃棄物から、金などの貴金属やレアメタルを取り出すことが行われているが、これは本書で著者が提言した、人工鉱山コンセプトと言えるのではないだろうか?
現在行われてるリサイクルがいかに無理であるかを主張している。 空き缶をリサイクルすると回収、分離などで時間、金、そしてなにより石油等の別の資源を消費する。 これでは本末転倒である。 著者はまた分離の難しさについても述べている。 混ざってしまったものをひとつ残らず分離するのがどれだけ苦労するか。 新しく作ったほうが早いしコストもかからない、そして別の資源の使用を削減できる。 またリサイクルではなく現存の品を有効に長く使うことも主張している。 石油を燃やしてエネルギーを得るのではなく、使わなくなったプラスチック等を燃やしてエネルギーを得るというのは非常に納得できる。 ただ、著者はリサイクル自体を反対しているわけではない。 今の明らかな無理があるようなリサイクルを反対しているのだ。 ではこの矛盾だらけのリサイクルをどうすればよいのか? まず著者はリサイクルをどのようにとらえるべきかを述べている。 それは 現在の生活レベルを落とさないこと 今だけでない将来のことを考えること リサイクルは最終手段で、それよりも有効に、長く使うこと である。この3つは非常に考えさせられた。 これらを考慮した結果どうするかというと、 ひたすら燃やしてエネルギーを得るというのだw さすがに言いすぎかと思うが、詳細は読んでみて欲しい。 なお、そのときにでるダイオキシンについても詳しく述べており、 ダイオキシンについての誤解を知ることができる。
ちょっと前の本だが、その重要性は変わらない。 いや、当時よりもさらに「リサイクル」「エコ」などといった言葉が言われるようになっている今、ぜひ読んでおきたい本だ。 決して読みやすい本ではない。 専門用語は多いし、文章自体もそれほど平易とは言えない。 学術的な、結構マニアックな解説も多い。 しかし、「そもそも金属とは何か?」「石油から別の物質が作られるというのはどういうことか?」といったようなことはなかなか知る機会がないために、ちゃんと読み込めば読み込むほど、知的好奇心を満たしてくれる。 そして、そうした基礎知識を得た上で「リサイクル」というものの虚像について丹念に説かれているため、説得力は抜群だ。 本書の最後で著者の提示する解決方法が、本当に現実味のあるものなのかは、なにしろ専門知識がないからなんとも言えない。 だが、「ゴミを分別すればいい」「ペットボトルはもう一度ペットボトルとして再利用できる」といった我々の「常識」を打破してくれる、非常に刺激的な本である。
自然科学的なものの見方の基本を確認しつつ、中学生や高校生でも問題意識がありさえすれば十分に内容が掴めるよう、著者は非常に心を砕いて下さっています。著者の主張は「世間常識」からは大変かけ離れたところにありますが、自己の主張を通すのに過激で扇情的な言葉を使うことをせず、冷静で暖かな筆運びに徹しているところも共感できます。先入観を排して環境問題を真剣に考えたい人たちには、ぜひ読んで頂きたい、お勧めの一冊です。