とても良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 1,700 円
ついに官渡の戦いで、曹操が袁紹を破ります。第二期刊行のクライマックスです。 人の才能を良く見極め、適材適所に使い、最大限の力を引き出す能力を持つ曹操の逞しさが描かれています。それに対して、人の話に耳を貸さず墓穴を掘る袁紹が対照的に描かれます。袁紹だけでなく、劉表もその決断力の無さで、曹操と対照的に描かれます。劉備は、未だ右往左往です。つかみきれない男として描かれていますが、まるで馬鹿者のようです。 曹操は官渡の戦いの後郷里に戻り、隠者のような生活を過ごそうとします。曹操の人間味の現れる場面です。このあたりが、作者の描きたい曹操像なのでしょう。 やっと旧勢力がいなくなり、いよいよ第三期から、「三国志」が始まります。
気長に、じっくり待ち続けたい三国志です。本作で官渡の戦いを向かえ、今後益々目が離せない展開に期待大です。宮城谷版三国志を読みたい方にお伝えしたいのですが、吉川英治版三国志とは物語の展開は結構違います。つまりは、三国志演義ではなく、正史三国志の内容に近い展開なのです。三国志の代表人物である劉備は、演義では後漢王朝の血筋の後裔でしたが、正史ではそもそも後裔と偽る嘯き物です。その他、曹操はとにかく悪玉の印象が強いのでしたが、正史では人材登用の名人、読書家(孫子の研究家として有名)といった英雄、好人物です。そういった点で、演義を中心に読んできた方には、えっと思う所も多いと思いますが。 5巻目の主役は曹操で、曹操、袁昭の人物描写などはまさに読み所です。春秋戦国時代等の登場人物との比較描写で、三国志の人物像をくっきりと描き出す宮城谷志の筆捌きは、まさに必読 です。
これは日本における三国志ものの一番の大作になることが容易に想像でき、私も本棚のスペースを含め、腹をくくりました。 まあどの三国志にもそれぞれ面白さがあり、長さにかかわらず、それはそれでいいんではないかと思ったりもするわけでもありますが... ちなみに宮城谷三国志の特徴は、他の三国志に比べ会話は少なく、そのかわり思考や行動での表現が多いのに、逆に各武将が生き生きしているのが、さすがといわざるを得ないです。 また各武将の性格も結構はっきりさせているのですが、演技の劉備のように、美化しすぎるというようなタッチでもありません。 さらに宮城谷さんの主戦場である春秋・戦国時代からの引用が多いのも、“ならでは”という感じです。 つまり「なんか新鮮な三国志」なんであります。 ところで次巻はいつ出ますか?
この巻では、まず孫策が袁術の元から呉や会稽方面に雄躍するところから始まる。曹操は献帝を保護し、許へ都を移す。そんな折、劉備が現れ呂布に奪われた徐州の奪還援助を求めてきた。前途は明るいはずの曹操だったが、張繍の軍勢と賈の謀略により命の危機に瀕した。かろうじて命を取り留めたが、長男の曹昴を喪い、甥の曹安民も死に、豪傑の典韋まで失ってしまった。 精神的な苦しみの中、呂布の勢力を一蹴し、袁術が自滅する。 すこし展望が開けたところで、袁紹との戦いに辛勝を得、さらに袁紹は病死した。後継争いで割れる袁家の勢力曹操は併呑したのである。孫策は南で横死する。 曹操の勢力は大きくなったが、文章としてはいまいち魅力に書けた巻になったかもしれない。しかしながら、これはこの時代は混沌とした、董卓以後の各勢力の相克の区切りの時期なので、仕方ないのかもしれない。いわゆる三国志はこれから盛り上がりを見せるはずであるからだ。