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ガリレオこと湯川学が挑む、数学の論理と純愛の論理の双対関係! |
探偵ガリレオシリーズの第3弾で初の長編小説。直木賞受賞作としてすでに数多くのファンを獲得しており、それは本書への250件近いレビューからも明らかである。今秋には映画化されるようで、おそらくその前に文庫化されることを想定すれば、本書に対する需要は増し続けるものと思われる。
平凡な数学教師である石神に届いた「運命のチャイム」。いわば「純愛の論理」を「数学の論理」によって極限まで追い求めた男の心理を、切なさを交えて克明に描いた力作だ。多くのレビューが本書の価値や魅力を書いているであろうから、私が新たに付け加えることは多分ない。是非とも一読していただきたい。あえて印象を述べれば、湯川と石神の出会い・再会を描いた箇所には興味をそそられた。互いに別の道を歩むことになったとはいえ、そして二人の時間的距離がいかに開こうとも、両者の心理的距離は一瞬にして縮小するだけの関係であったことがよく分かる。
またストーリーに直接的な関係はないが、石神が行った再追試における、答案用紙の裏に今の自分の考え=数学に対する自分の気持ちを書かせるという1シーンも強く記憶に残った。数学の本質なるものを教えようとする石神の教師としての熱意以上に、「数学を勉強することのそもそもの意味」に生徒が少しでも気がつけばそれだけで十分であるという学問論も決して無視できないように思うのだ。生徒が果たしてどのような「気持ち」を書いたのか、本書では描かれていないのが残念であるが、おおよその見当はつく。「数学と純愛」という一般人には似ても似つかないと思われるものの奥深くに潜む真理に私自身は理解が届いていないが、それは「崇高なるもの」の共通性なのであろうか。
今後のガリレオシリーズにも大いに期待を寄せたいところである。月並みな表現で恐縮だが、いわゆる「美しいものには棘がある」、本書の鮮烈な装丁はそんな内面を物語っているのか・・・。
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