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人類が消えた世界

人類が消えた世界

良い / 口コミ件数 : 16


価格 : 2,100 円





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1.  とても良い 至高の豚さん 書き込み日: 2008年05月21日

無人の惑星

人類は、その出現により地球に何をもたらしのか。そして、その滅亡後は、生み出したものの
うち何が残り、何が消え去るのだろうか。という壮大なテーマを科学的に考察するもの。

人類は約4万8千年前、アフリカから他の大陸に移動していった時に、すでに石器を使い、
次々に他の大型哺乳類を全滅させていった。
(これは、マーティンの電撃戦理論といわれるものですが、各種の反対意見も紹介されています)

もし人類が地球上から消え去ったら、多くの哺乳類がその存在に取って代わり、同時に植物、
鳥類、昆虫が繁栄を取り戻すだろう。但し、人間が飼っていた家畜や、育てていた植物は、
人類とともに去っていくことになるだろう。

堅固で崩れそうもないビルなどの建築物も長い時間の後、水や風の力で少しづつ崩れさり
残るものは、プラスチックや、アルミニウム、ステンレスなどだ。

そして、数十億年後には人類の生み出したものは、全て自然の力によりかき消され、宇宙には
放射された電波だけが残るだろう。という内容。

本著は地質学、考古学、人類学、生物学、博物学、環境学、建築学、都市工学、放射線学、
電波工学等のジャンルをクロスオーバーし、未来のシナリオを展開するものであるが、
読後は、たとえようもない哀しみに襲われる。
科学の書であることは間違いないが、文学的な響きも合わせ持つ良書だと思う。



2.  とても良い 都筑コータローさん 書き込み日: 2008年05月15日

非常に興味深いシミュレーション

この世界から突然人類がいなくなったら、残された都市や自然、生物はどうなってしまうのか、
様々な視点から科学的にシミュレーションしていく非常に興味深い作品。
そして本書はユニークな視点で書かれた環境問題の書でもある。
人類が滅亡したら世界は動物たちの楽園となるかもしれないが、
人間が生み出した様々な有害物質や分解されないプラスチックが大量に残り、残された生物に悪影響を与えるかもしれない。
例えば原子炉などで利用されたウラン235は劣化ウランとして残り、
兵器にも利用され問題となっているが、米国だけで50万トン存在し、その半減期はなんと45億年である。
人間は今まで数多くの動物達を絶滅させてきたが、次に自分たち自身を絶滅させないために、著者は出産を制限して世界の人口をコントロールすべきだと説く。
いま我が国は少子化に悩み、人口が減少に向かっているが、地球全体の環境を考えれば決して悪い事ではないのかもしれない。



3.  とても良い プルトンさん 書き込み日: 2008年07月06日

思考実験を重ねることにより環境問題の単純化に成功した良書

 この本は「人類が消えたら世界はどうなるのか」という思考実験を試みることにより、人類が地球環境に与えている数々の影響について深く考察することに成功した面白い本である。

 昨今、環境問題が政治経済上の大きな議題となっているが、問題が複雑すぎてとらえようがないと思っている人も多いだろう(私もそうだった)。本書はこの問題を「人類が明日、全員消滅する」と仮定することにより(全員消滅する理由については深く追求していない)、単純化することに成功している。

 題名からも分かるように直接環境問題に焦点を当てているわけではなく、あくまで「明日人類が消えた」場合に世界がどう変わっていき、最終的に人類の痕跡がいつ頃消えるかについて考察している。「どうすべきか」について語ってないところが、逆に多くの読者の支持を集めている理由になっているのではないかと思う。

 筆者はミネソタ生まれのアメリカ人である。アメリカ人にありがちな価値観の押しつけやキリスト教至上主義的なところも見られず客観的に事象をとらえていることにも好感を持てた。

 環境問題に関心がある人にはこの本を特にお薦めしたい。



4.  とても良い Ekojinさん 書き込み日: 2008年06月22日

人類の痕跡

この壮大な思考実験は、当然のことながらある強烈な問いかけを投げかけている。
つまり「人類は地球にとって害悪でしかないのではないか」という問いだ。

この高度に脳を発達させた哺乳類が、母である地球に対して行ってきたふるまいは決して褒められたものではないだろう。

1907年にレオ・ベークランドが成功した完全人工合成樹脂「ベークライト」の合成はその後人類が消滅しようがしまいが関係なく、
プラスチックというこの厄介な物質とすべての生物種が今後何千年何万年と付き合わなくてはならないことの始まりでもあった。
プラスチックは現実的な時間枠のなかでは生分解されず「細かく砕かれる」だけ。
どんどん小さくなって、動物プランクトンですらプラスチックを口にすることになる。
食物連鎖に完全に組み込まれていく。それでも分解はされない。
これまで人類が製造してきたプラスチックは燃えて灰にしたほんのわずかなものを除けば、ほぼ全てがある大きさで存在しているのだという。

プラスチックですらそうなのだ。では、大量の放射線を吐き出し続ける世界の441箇所の原子力発電所は?

・・・というような耳の痛いシミュレーションが続く。
とは言え記述のメインは、未来ではなく過去だ。
人類が成したことを検証することによって初めて人類なきあとの世界が想像できる。
ハードSFはすべてそうだが、単なるSFではなく科学的アプローチに重点が置かれた本だ。

人類が消えたあと、いや、地球すらも消えたあとの何十億年後の世界において、
それでもいつまでも残る人類の痕跡は何か。
その答えとその理由のくだりが個人的にお気に入りの箇所。
それは読んでのお楽しみ、ということにしておきます。

面白い本。固い本ではありますが、オススメです。
http://ekojin.com/



5.  とても良い Bigさん 書き込み日: 2008年12月09日

内容も翻訳も最高!

内容も翻訳も最高に素晴らしいです。読んでいて、嬉しくなってきます。



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