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スキズマトリックス (ハヤカワ文庫SF)


良い / 口コミ件数 : 2


価格 : 987 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:2 1
1.  とても良い さん 書き込み日: 2005年05月03日

サイバーパンクの最高傑作

SF作品は閉塞していた。70年代から続くSFの流れは、当時のテクノロジーと政治的な諸問題に(少数の例外を除いて)、まったくコミットしていなかった。粗製濫造、二番煎じ、毒にも薬にもならない政治的態度。サイバーパンク・ムーブメントは、それらすべてに「否」を突きつけた。

そして、サイバーパンク党「党首」であるスターリングが世に問うたのが、この本、『スキズマトリックス』である。

読みにくい、然り。話の筋がサッパリ、然り。魅力的な人物がいない、然り。

だが、この本はまぎれもなく傑作である。誰が何といおうと、個人的には『ニューロマンサー』よりも、この本はすばらしい。

グロテスクなまでに発達したテクノロジーは人間に何をもたらすのか。人間性はどう変容するのか? そして、変容した彼らはいったいどのような思想・信条を持つにいたり、どのような生活をするようになるのか? 「人間とは何か?」、始まりにして終わりである、この大いなる命題を、テクノロジーという側面からラジカルに描いた作品が本書だ。そしてそれは、サイバーパンク・ムーブメントが再びSFというジャンルに思い出させようとしたものに他ならない。

確かに、この本は何の予備知識もなく読み始めるのはつらいだろう。すんなりと入っていける背景設定となるような「お約束」がどこにもないからだ。うらぶれた街で首筋にジャックを刺したミラーシェードの男、なんかもここにはいない。だが裏を返せば、そこで描かれているものは、読者の予想を遙かに上回る、体験したことのない、想像だにしなかったような圧倒的なビジョンだ。そのビジョンは二十年以上を経た現代でもなお、その斬新さ(と、奇妙さ)を失ってはいない。

残念なのは、本書と世界観を共有している短編集『蝉の女王』が絶版になってしまっていることだ。本来なら、先に『蝉の女王』を読んで軽く脳をスターリング節に合わせたあと、『スキズマトリックス』に取りかかるのがベストである。早期の復刊を望みたい。



2.  普通 バンパーさん 書き込み日: 2005年02月26日

過大評価されている一冊だと思う

それほど面白くはなかった。
スターリングは短編集「蝉の女王」が面白いのであって、
スターリングへの高い評価が本当にこの長編へのものなのか疑問に思う。
短編集「蝉の女王」の出来がすばらしすぎたため、その影響を受けて過剰に過大評価されてしまったのがこの長編「スキズマトリクス」だと思う。
この長編を読むよりは、何とかして短編集「蝉の女王」を手に入れるべきである。



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