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平和構築のためには何が必要か。「子ども兵士」という問題から考える |
冷戦後の「新しい戦争」。民族紛争や低強度戦争など呼び名は様々であるが、本書はそんなポスト冷戦期の戦争の特質を「子ども兵士」という現実を通して考察する。全世界80数カ国において確認されている「子ども兵士」たち。なぜ冷戦後の今、子ども兵士が激増しているのか。本書はその背景を鮮やかに描写していく。その上で最後に「子ども兵士」廃絶に向けた、著者による処方箋が提示される。
一般に、紛争を前にすると即、「介入は是か非か?」、特に、「武力介入は是か非か?」といった議論に陥りがちだ。結果、戦後の平和構築、特に社会に根付いた暴力への志向などといった社会的土壌をどうするかという問題にはほとんど議論がなされることのないままにPKOや武力介入という外科的な処方がなされ、状況をますます悪化させてしまうきらいがある。しかしながら本書は、冷戦後の紛争の特質として何よりもまず「子ども兵士」の問題を捉える。それがさらなる暴力の連鎖と地域秩序の崩壊の原因となっており、「子ども兵士」の根絶なくして平和構築はありえないという問題意識こそが本書の意義を際立たせている。
日本でも「国際貢献」が叫ばれる今日、「国際貢献論」を簡単に自衛隊派兵の問題に矮小化するのではなく、著者のように現代の世界が抱える絶望的なまでに深刻な問題をきちんと把握し、解決に向けて何ができるのか、常日頃よりきちんと考えておかねばなるまい。広く平和とか国際関係に関心のある方に是非お薦めしたい一冊である。
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