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新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

とても良い / 口コミ件数 : 36


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1.  とても良い jimmyさん 書き込み日: 2003年03月06日

「知る」ことと「わかる」ことは違うのだという気づきがありました

 古代の人々は夜空を眺めて、その中に他の星とは動きの違う惑星を見つけました。それが記録され継承されるようになるには、何千年という時間がかかったのだと思います。そのあと、さらに何千年の時が流れ、その惑星の動きを説明するさまざまなモデルが登場し、最終的にはニュートンが引力の法則で鮮やかにその動きの意味を記述してくれたのだと思います。

 最終的な引力の法則を式で「知った」のは、高校生の頃でしょうか。そのときはそれで「わかった」ような気になっていました。しかし、それが導き出されるまでの歴史を考え、その1つの式が導き出されるまでの意味を本当に「わかった」という気になるまでに私は20年かかりました。

 「ネットワーク」について「知っている」ことはそれなりにありましたが、本書は、その断片的な知識をつなげて、前よりも一段「わかった」気にさせてくれるものでした。いまでこそ当たり前のように感じることも、先人が少しずつ知恵をため、後世に残してくれたことの結果なのだと思うと、感謝の気持ちがもてます。

 私の場合、理解したと感じるまでには、ある程度の時間とさまざまな角度からの説明が必要です。その中の説明のひとつがある日、一気に理解を深めてくれます。ネットワークについて書かれたさまざまな書籍の中で、本書はその役割を果たしてくれたと思います。冗長な部分や、多少強引な展開もありますが、それが私にとっては理解の助けになったと思います。

 ただし、翻訳書の題名、体裁は、そのチャンスを私から遠ざけてしまいそうに思いました。原書を友人から紹介され、ネットで検索して見たときの表紙はとても魅力的に感じ、すぐに注文をしましたが、邦訳がでたと知って読むスピードを考えてそちらも購入しました。翻訳された題名と表紙の体裁が原書の雰囲気とは全く異なり、私には魅力的ではありません。多少軽めのノウハウ本のような印象ですね。とても惜しい気がします。



2.  とても良い まる・ちさん 書き込み日: 2006年12月04日

後半は散漫だが、ネットワークの特性を良く理解できる本

 インターネットのネットワークとしての特性である「ハブ」「べき法則」を分かりやすく解説する本だ。ネットワークの特性を研究することが、ひとつの大きな研究分野であると言うことにまず驚かされる。
 技術的な知識もほとんど必要としないし(ルータやハブという用語程度)、数式に至ってはほとんど出てこない。しかしネットワークの特性とは何を意味するのか、またインターネットにおける特殊性はどんなところにあるのかと言うことを理解させてくれる。
 有名な「ケーニヒスベルクの橋」の一筆書き問題からグラフ理論を紹介したり、「六次の隔たり」や「ケヴィン・ベーコンゲーム」でネットワークの大きさを説明したり、「80対20の法則」でネットワークのスケールフリー性を説明したりと、特性を理解させるのに分かりやすい例を用いることで非常に読みやすくなっている。
 後半ではインターネットの成り立ちから、ネットワークとしての脆弱性とは何かというような解説と共に、今後ネットワークによって受けられる恩恵や、医学や経済社会分野でのネットワーク思考の重要性にも触れているが、やや散漫で付け足し風ではある。しかし経済でのネットワーク思考の実例であるとか、WWWの大きさを議論する段階でWWWの世界がリンクの流れから4つに大別されるという話が非常に面白い。
 「金持ちはより金持ちに」と言う章で、先行事業者の優位性を覆せる戦略があることを解説しているが、大局的にはハブ的存在である先行者の利益は揺るがないと思う。したがって国家や地域レベルでの「IT格差」による経済成長格差というのが今後の大問題になると思われるが、本書ではそこまでは踏み込んでいない。



3.  とても良い かんさん 書き込み日: 2002年06月24日

細胞からWWWまで、生きたネットワークに共通するもの

カオスやフラクタルに関心がある方はぜひ手にとって見てください。
ネットワーク理論を説明した一般書ですが、インターネットのネットワーク構造の研究を手がかりにした記述は、理論の発展経過を面白く、かつ、わかりやすく(数式なしで)、まるで実況中継を見ているみたいに読ませてくれます。

特に、自然界から人間界にわたって広く存在するパワー則が、ネットワーク構造にも存在し、その構造は量子統計力学の式で表現できるという発見に至るまでの記述、さらに、その概念を参考にしてネットワーク構造を見直すと−−−。読んでいて、こんなにゾクゾクする本にめぐり合ったのは久しぶりです。
かん



4.  とても良い ニックネームさん 書き込み日: 2006年03月29日

ダンカン・ワッツ 『スモールワールド・ネットワーク』と一緒にどうぞ

最初から最後まで知的好奇心に身もだえしながら読めます。扱っている内容、構成、文章のどれもが一級品だからです。タイトルだけが三級品というのはご愛嬌。
読了後には何気ない普段の生活にも隠れたネットワークが見えてくるようになるでしょう。

ダンカン・ワッツ 『スモールワールド・ネットワーク』では、本書と大体同じ事例を扱っていながらも理論的な解釈が違っているので、両者の違いを見るのも大変面白い。ただ、本書の方が面白く書かれているので、本書から読むのが良いと思う。



5.  とても良い rgz-91さん 書き込み日: 2003年01月13日

ネットワーク時代の疑問にヒントを探している人におすすめ

全体としてはネットワークの性質を帰納的に論証しようとしている本です。研究者が読んでも新たな発見は得られないかも知れませんが、私のようにお金にもならないかも知れない研究に関わっている者にとって、少なからず自分の方向を再確認させてくれるものだと思います。「成長」と「優先的選択」というネットワークの二大特質が、様々な分野でどう具現化されているのか、そういった視点で軽く目を通すだけでも面白いのではないかと思います。できれば、ネットワークの成長とからめてオートポイエーシスなどにも触れてほしかったのですが、そのあたりは読み物という性格上敢えて除外されたのかも知れません。

たとえばネットワークの時代において、なにゆえ創業当時から他の真似ばかりして、自ら率先して新しい世界を切り開こうとすることなく、本来存続させるべきであった技術や会社を次々と潰してきた会社が世界有数の企業へと成長し、不幸にも市場を独占するに至ってしまったのか、といった疑問を抱いている人にとって、きっと本書は何らかのヒントを与えてくれることでしょう。



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