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フィッツジェラルドの世界を破たんなく日本語で再構築してくれました、という印象 |
デイジーの従兄弟でありギャツビーとの仲を取り持つことになるニックというのは、村上春樹さんの小説の主人公のようでしたね。というか、もちろんニックのような男性を日本にもってきて書いたのが村上作品なのかもしれませんが。こんなところに、その感じが出ていると思います。
《人は誰しも自分のことを何かひとつくらいは美徳を備えた存在であると考えるものだ。そして僕の場合はこうだー世間には正直な人間はほとんど見当たらないが、僕はその数少ないうちの一人だ》(p.113)。《人間の同情心には限界がある。都市の明かりが背後に遠ざかるにつれ、彼らのあいだで交わされた壮絶なやりとりもだだん遠いものになっていったし、そのことで僕らは正直なところほっとしていた。三十歳ーそれが約束するのはこれからの孤独な十年間だ。交際する独身の友人のリストは短いものになっていくだろう。情熱を詰めた書類鞄は次第に薄くなり、髪だって乏しくなっていくだろう》(p.247)。
ぼくの読み方が悪いのかもしれませんが、ほのめかしに終わっているウルフシャイムとギャツビーが手がけるううさんくさい仕事について、もう少し、ハッキリとわかるようだったらいいな、と思ったのが多少、不満に残りました。 |
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