良い / 口コミ件数 : 43件
価格 : 620 円
これが最終巻だとレビューを書いている人がいますが、これは誤りです。 出版された順に並べると以下のようになります 『スカイ・クロラ』 『ナ・バ・テア』 『ダウン・ツ・ヘヴン』 『フラッタ・リンツ・ライフ』 『クレィドゥ・ザ・スカイ』 敢えてはじめから時系列順に読む必要性は無いでしょう。 これからスカイ・クロラシリーズを読もうと思っている方は参考にしてください *追記 全体として読んだときのストーリの最終巻は確かに本巻なのですが、やはり出版順に読むのがベターです。 いきなり時系列順に読んでしまうと楽しめないトリックも多いからです。
航空機は、空気の中を滑りながら飛んでいる。車の走行とは明らかに異なる。トラクターやプッシャー。前者は翼の前にプロペラがあり機体を引く。後者は先尾翼となりプロペラが機体を押す。=散香の特性が分かるだろうか。かつて私も戦闘機の仕事をしていた。 エルロン(主翼の外側にある舵)は機体を左右にひねる。=ロールを打つ。 ラダー(垂直尾翼の舵)は機体を左右に振る。=ロールを打つ方向へラダーをあてれば急降下に入る。 エレベータ(垂平尾翼の舵)は機体を上下に振る。=エレベータを引けば機体は上を向き、それまでの速度エネルギーが高度という位置エネルギーに置き換わる。そのままの姿勢で推力(速度エネルギー)がなくなれば失速となり、逆にこれを利用して滑りながらターンを打つ。 フラップ(主翼内側の舵面)は、低速時の揚力を稼ぐ、もしくは高速時において速度エネルギーを揚力エネルギーに変えて、結果としてブレーキの役割をなす。 これらの舵と重力や遠心力の立体的な組み合わせ。 こうしたハード面。普通の人に分かるわけがないのだが、本小説にはほとんど解説がない。 また、キルドレ達の少し変わった内面。記憶がないか、まるで植えつけられたかのような記憶の断片。シリーズにおけるパラレルな記憶、そして生死感。クローンの暗示か。主人公の一人称は総て「僕」。こうしたソフトの面 ハードとソフトの両面が分からないと、全くつまらない話。多分☆2つ以下の価値。 しかし、その両面が理解できた瞬間、彼らが空戦することを「踊る」「美しく踊りたい」という「本当の意味」を知る。 散香(サンカ)を飛ばす水素(スイト)は酸化水素、つまり水となり大空に溶け込む。 そして、クレィドゥ・ザ・スカイのエンディング。ブーメランの意味。キルドレ達の連鎖。正に「メビウスの輪」が出来上がる。 追記 これが森氏のテーゼではないとするコメントがあったが、同氏の「トロイの木馬」は同様のテーゼが流れていると思う。
シリーズの内、何巻が最終かどうかなど構成方法については、いろいろ意見が分かれると思います。 作品や作者の分野が何かと言うことには興味はありません。 ただこのシリーズは空を飛ぶことをイメージできる人は素直に物語の中に入り込めると思います。 インメルマンターンとかバレルロールとかのマニューバ関連の言葉とか、エルロン、ピッチなんて航空用語がイメージできないと読んでいて楽しくないと思います。 それくらい飛ぶことについては丁寧に書かれています。 エレベータと聞いてデーパートを思い出すようだと、文体とか作者の過去を引き合いに出したくなるんじゃないでしょうか。 空を飛ぶことをイメージして楽しめる人には、お勧めの本です。 きっとシリーズ全巻を一気に読みきれるでしょう。 そのくらい空を飛ぶことと、空に居ることを丁寧に書いている本です。
私は出版順に*スカイ・クロラ*ナ・バ・テア*ダウン・ツ・ヘヴン*フラッタ・リンツ・ライフ*クレィドゥ・ザ・スカイと、全巻を読ませて頂きました。 初めは、一体この作品は何なのだろうか? と疑問を抱きました。 何の説明も為されないまま、テンポ良く進んで行くこの作品。 面白くはありましたが、なんとも煮え切らない感が残りました。 それが嫌だったので、続きを買ったのですが、クレィドゥ・ザ・スカイまで読み終えた時、私は大きな感動と森博嗣氏に対する戦慄が胸に湧き上がってくるのを感じました。 バラバラのピースが一つに纏まり、完成したのは圧倒される人間ドラマ。 一つの確信と共に再びスカイ・クロラを手にした私は、最後まで読み終えた時、涙が止まらなくなりました。 ああ……こういう感動もあるんだ、と必ず思い知らされます。 このレビューを読んで下さった皆さんには、是非ともスカイ・クロラを全巻読んで頂きたいと思います。 草薙水素の人生に、思いに、苦悩に、触れて下さい。
この作品の 言葉を追いかける度に 心が透明になっていくような気がする。 森博嗣の描く「孤独」は どうしてこうも美しいんだろう。 まだS&Mシリーズしか読んでいない方にも是非手に取っていただきたいです。 スカイクロラには、森博嗣が凝縮されています。