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東ゴート興亡史―東西ローマのはざまにて(中公文庫BIBLIO)

東ゴート興亡史―東西ローマのはざまにて(中公文庫BIBLIO)

とても良い / 口コミ件数 : 9


価格 : 900 円





クチコミReview一覧
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口コミ件数:9 1 2 次ページ
1.  とても良い ともぱぱさん 書き込み日: 2006年05月23日

あるゲルマン民族の物語

塩野七生氏の「ローマ人の物語」シリーズがいよいよ今年末にフィナーレを迎え、476年の西ローマ帝国滅亡で幕を閉じるのではないかと私は考えていますが(もちろん私の予測を裏切る嬉しいサプライズは歓迎です)、そうするとイタリア史ファンとしては、同氏の「海の都の物語」がフランク族を撃退してヴェネツィア建国から始まるまでの間、空白の期間が生まれることにもどかしい思いをすることになります。その空白の期間の一部を埋めてくれる嬉しい歴史書が本書です。ハイライトはオドアケルを倒し、イタリアを支配するに至ったテオドリック大王の活躍(5〜600万人のイタリア人、つまり西ローマ人を10万人ほどで支配し、しかも善政を実現したのですから、たいしたものです)でしょう。そもそもゲルマン民族の大移動の時代を取り上げた(日本語による歴史ファン向けの)本が少なく、ましてやある一民族の、その原住地から移動を開始して滅亡を迎えるまでをわかりやすく概観する本は、私が知る限り、これまでなく、そういった意味からも貴重な本であり、「ローマ人の物語」シリーズの続編としてゲルマン人の物語を書くとすれば、その第1巻に位置づけてもよい本書は、ヨーロッパ史ファンの方には是非一読してほしいと思います。



2.  とても良い MM@神奈川さん 書き込み日: 2006年05月05日

ここのレビューを見て買いました

この本は読みやすく面白い本です。一気に読みきってしまえるほどです。こういうテーマの本は,かなり専門的な論議に向かってしまうことが多いのですが,筆者の松谷健二さんは,ヨーロッパ古代史に詳しくない人にもわかりやすく,興味を持って読んでいけるように配慮されているようです。

それから,一般に知られている伝承に対して,疑問点を投げかけられているところも,この本を読んで印象に残ったところです。例えば,獰猛な性格で悪魔的な人物として描かれることが多いフン族の王アッティラが,史料・史実から判断すると,情勢を冷静に判断し,外交にも長けた人物らしいことが指摘されている点ですね。



3.  とても良い e90j77gnさん 書き込み日: 2004年07月24日

面白いですよ!

 ゲルマン民族の中でも最も有名な部族の1つ、東ゴート族の始原から滅亡までをたどる本。ゲルマン民族大移動の時代、東ゴート族はどのようにしてイタリアに建国し、滅んでいったのか。またニーベルンゲン伝説に登場するゴート王ディートリッヒの実像にも迫る。面白かったのはローマ側に同じ東ゴート族や他のゲルマン民族の傭兵や高級軍人がいて、同じ民族同志で戦うことが頻繁にあったこと。こうした細かい事情や政治の駆け引きは、大移動を概観する本よりずっと詳しい。一方で、東ゴート転落の原因を作った東ローマの皇帝、ユスティニアヌス1世と皇后テオドラについても1章を設けている。ところがこの2人、実に面白い夫婦なのだ。テオドラは、もともと身分の最下層に位置する女優(+娼婦)の出身だが、執政官まで出世していたユスティニアヌスに見初められる。しかし当時、元老院議員以上の身分の男性は女優と結婚できないという法律があったため、ユスティニアヌスは彼女と結婚するために法律を変えてしまうのだ(すげー!)。この辺り、ゲルマン民族の大移動で面白いのは、各部族の動向だけじゃないんだなぁ、と思ってしまう。物語を話すような語り口なので読みやすく、かつ面白い。歴史が好きな人にも、そうでない人にもオススメです。



4.  とても良い 流星羊さん 書き込み日: 2007年08月26日

英雄をかく語りき

いわゆるゲルマン人の大移動・西ローマ帝国の滅亡を簡潔かつ鮮やかに軽妙な語り口で読ませる歴史ノンフィクションです。

さて、東ゴートのテオデリックやトティラといった王達は、強く、賢く、ルックスも良い、という3拍子そろった人物で、ゲルマン人の英雄とはこういう人たちであったのか、と考えさせられます。日本人の英雄像とはやはりちょっと違って、頼朝と義経のいいとこどりしたような人物になるのでしょうか。

ともあれ、この作品はテーマからいっても裏「ローマ人の物語」というとわかりやすいかも。ただし、その妙なる語り口は塩野七生のそれより数段こなれています。歴史好き・読書好きの方には、同作者の「カルタゴ興亡史」と併せて是非一読をお勧めします



5.  とても良い tomomoriさん 書き込み日: 2006年06月22日

レビュアーの方々に感謝です

内容については他のレビュアーの方々が書いて下さっていますね。皆さんのレビューを拝見して注文してみました。
本当に面白い!あっという間に読了しました!馴染みの薄い時代の馴染みの薄い部族の物語でありながら、不思議と東ゴート族の運命に強く感情移入してしまいます。迫り来る運命を目前にしたトティラ王の奮戦など強烈に胸が締めつけられました。
短い一冊ですが、大変に濃い内容です。語りの上手さ同様、少年時代からの興味と情熱を同書に結晶化させた作者の姿が印象的。
小谷野氏同様(ご著書拝読しております)、本書によってフェリックス・ダーンに興味を持ち、早速英語版『A Struggle for Rome』を注文してみました。原書はドイツ語だそうで、アマゾン・ドイツを覗いたところ、フェリックス・ダーンをナチスのプロパガンダ絡みで非難するレビューがチラホラ見受けられ…ドイツも苦労の多い国だな、と思わず暗い気分になってしまったり。
読んでいて脳裏をチラチラしたのは『ロード・オブ・ザ・リングス』のイメージでした。トールキンはフェリックス・ダーンの『A Struggle for Rome』(原書タイトルは『Ein Kampf um Rom』)に影響を受けたと、との見方もあるようですよ。



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